第四の権力の機能不全 〜偏向報道2〜
ナチスが共産主義者を弾圧した時 私は不安に駆られたが
自分は共産主義者でなかったので 何の行動も起こさなかった
その次 ナチスは社会主義者を弾圧した 私はさらに不安を感じたが
自分は社会主義者ではないので 何の抗議もしなかった
それからナチスは学生 新聞人 ユダヤ人と 順次弾圧の輪を広げていき
そのたびに私の不安は増大した が それでも私は行動に出なかった
ある日ついにナチスは教会を弾圧してきた そして私は牧師だった
だから行動に立ち上がった が その時はすべてがあまりにも遅かった
どなたかの言葉かは存じませんが、ナチスがユダヤ人及びドイツ国民の言論弾圧を風刺した発言です。「最初の規制は自身と関わりないからといって放置していたが、気がついたら取り返しのつかなくなっていた」という主旨ですね。
此が当時書かれたものかは調べていませんが、一般的なマイノリティから始める事により信憑性はあると思います。
では現代の日本の話です。
市民団体とか護憲団体、または平和NGOという名前を聞いた事はありませんか?詳しくは同名で調べて頂ければ、活動している団体が引っかかると思います。
彼らの活動の一つに、“憲法・人権遵守”というものがあります。主に憲法九条や表現・思想の自由、生存権の死守等々、政治へ働きかけています。
正直彼らの活動に対しては思う所が少なからず御座いますが――まぁ兎にも角にも、彼らは政府の暴走を市民(※会員が日本国籍限定ではないため、外国人も含む場合もあります)の立場から監視している、と言っても良いでしょう。
マスコミが(口ではどうあれ)実質上企業や法人から広告料を得ているのに対し、彼ら平和・人権団体は“有志の募金”から成り立っている事もあり(または非営利法人として)、政界・財界へより厳しい目を向けている――ん、だそうです。
(私自身が活動した訳では御座いませんので、殆どが彼らのHPや著作物からの伝聞となります)
産経新聞 2010年2月22日
長崎県知事選と東京都町田市長選で民主党など与党3党が推薦した候補が敗北したことは、小沢一郎民主党幹事長や鳩山由紀夫首相に絡む「政治とカネ」の事件と北海道教職員組合の違法献金事件の「3大資金疑惑」が逆風となって直撃したのは明らかだ。
21日夜、民主党の石井一選挙対策委員長は同知事選について「結果を厳粛に受け止めて今後の糧(かて)」にするとの談話を発表したが、首相と小沢氏という政権のツートップの問題に及ぶためか「政治とカネ」への言及はなかった。
(引用終了)
松尾貴史(民主党・石井一選対委員長が応援演説で「時代と逆行するような選択をされるのなら、民主党政権は長崎に対してそれなりの姿勢を示すべき」と語ったことを受けて)「恫喝みたいでひどい話だ。次の国政選挙や地方の選挙に、こういう物言いが、どういう風に響いてくるかお考えになっていないのではないか」
(引用終了)
以上が2010年2月の話です。多少はテレビや新聞等でも取り上げられましたが、実は其れ以上にネットニュースでは騒がれました。
しかし当時は政権交代後、僅か五ヶ月後の事です。テレビのコメンテーターは、
「政権に不慣れなのだから仕方がない」
等と理解しがたいコメントで濁して留まりました。
戦後初となる政府による(というか公権力による)日本国民への恫喝だったのですが、各平和・人権団体の皆さんは一律に無反応でした。
きっと彼らは当事者ではない――長崎県民ではなかったのでしょうね。
“「民主党政権つぶれて」発言に激怒”
民主党政権、民間人への言論統制も…仙谷・北沢氏ら主導(産経新聞 2010年10月17日)
(〜前略〜)
統制の矛先は民間人にも向けられる。政権は「秘密国家」への道を歩み始めたのか。
防衛省は10日付で「隊員の政治的中立性の確保について」と題する中江公人事務次官名の通達を出し、自衛隊施設での民間人による政権批判の封じ込めを求めた。
きっかけは3日に航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)が開いた航空祭。
自衛隊を後援する民間団体「航友会」の会長が招待客約3千人を前に衝突事件での政府の対応を挙げ、「民主党政権は早くつぶれてほしい。皆さんも心の中でそう思っているのではないでしょうか」とあいさつした。
これを伝え聞いた北沢俊美防衛相が激怒し、事務次官通達を指示したとされる。通達は、発言は自衛隊法などの「政治的行為の制限」違反との誤解を招く「極めて不適切な発言」と断じた上で
(1)政治的行為と誤解されることを行わないよう参加団体に要請
(2)誤解を招く恐れがある場合は参加を控えさせる−などの対応策を指示した。
憲法19条(思想信条の自由)の精神に反する疑いがあるだけに自衛隊幹部も「民間人への言論統制は前代未聞だ」と反発。
内局幹部も「国民の率直な声を抑圧する姿勢はファシズムに近い」と批判する。自民党など野党は17日の参院予算委員会集中審議で北沢氏らを徹底追及する構えだ。
一方、日本の在ジュネーブ国際機関代表部が、中国によるレアアース(希土類)対日輸出停滞問題を10月の世界貿易機関(WTO)会合で取り上げる準備をしていたところ、外務省が「待った」をかけたことも判明した。
13日の菅直人首相と中国の胡錦濤国家主席の首脳会談に向け、波風を立てないように「配慮」したとみられる。
日中首脳会談では福山哲郎官房副長官がやりとりを一切明らかにせず、日露首脳会談でもロシア側の説明の方が正確で詳しかった。
メディアへの情報統制を主導するのは仙谷氏だとされる。
(以上引用終了)
石井一議員の恫喝めいた発言から八ヶ月、今度は自衛隊の式典での発言を規制し始めました。
ご存じの方が殆どおられない――つまり、マスコミは全くと言っていい程此の事の危険性には触れませんでした。
そしてまた平和・人権団体の方々は明確な憲法違反(公務員ではなく、民間人への思想・言論の自由への公的介入)に対し、何一つ行動を起こしませんでした。
きっと彼らは当事者ではない――自衛隊支援者ではなかったのでしょうね。
自民・佐藤議員「保全隊員来た」 自民・逢沢氏、防衛相問責に言及(産経新聞
2011年1月25日)
佐藤氏は同日開いた記者会見で、「会合に保全隊員が来ていた。私も知り合いも顔を確認している」と明言した。田母神氏も産経新聞の取材に、「保全隊員は昨年初めごろから講演に潜り込んでいる」と述べた。
民間人への言論弾圧から三ヶ月、今度は自民党(野党議員)への保全隊員を使った監視が発覚しました。田母神氏が仰るには昨年初め、つまり政権交代後の翌年には監視が確認されていたようです。
保全隊とは自衛隊の持つ諜報組織(其れ自体は必要だと思いますが)です。
其れがテロリストやヤクザ、法に触れそうな宗教団団体でもなく、真っ当な政治団体を監視していた――が、恐らく此もまたご存じない方が殆どでしょう。何故かマスコミは民主党に都合の悪い事は殆ど触れません。
(石井一議員の仰る「其れなりの対応」が怖いのかも知れませんが)
ともあれ国家が敵対する政党を自衛隊の特殊部隊を使って監視していた、という(恐らく戦後最大級の国家ぐるみの大スキャンダル)は、大して取り上げる事もなく、そもそも殆どの日本国民が知る事無くフェードアウトしていきました。
勿論平和・人権団体の方々は自衛隊(空砲のままパレードする事にすら、激しく抗議するのに)や政府へ抗議しませんでした。
きっと彼らは当事者ではない――自民党員ではなかったのでしょうね。
フィリピンでゴルフをしていた民主党の石井一副代表との一問一答。(共同)
――東日本大震災後、日本でゴルフはやったのか
石井副代表 やっていない。やる暇ない。
――なぜ今回プレーを
石井副代表 日本でやらないのは、地震のことが人々の気持ちの上に(重く)のしかかっているから。国外の方がまだ目につかなくていいのではないかと思った。
――党の震災対策副本部長だが
石井副代表 ぼくも阪神大震災を経験したけ
ど、被災地で、次の家を建てることを心配している人から見れば「何だ、国会議員が(なぜ)ゴルフをしているんだ」という気持ちになるでしょうね。そういう
意味では一般的な自粛というのはあってもいいと思う。ただ党としてはやることはやっている。
――フィリピン訪問の目的は
石井副代表 日比議員連盟(日本フィリピン友好議員連盟)の会長として務めを果たしに来た。ゴルフをやるためではなくあくまで公務。被災者に悪い感情を与えるようなこと(報道)はしないでほしい。
石井一らウソ発覚!フィリピンでは“ゴルフ三昧”だった
政府・民主党が東日本大震災への対応を最優先するなか、フィリピンでゴルフをしたとして、党地震対策本部の副本部長を引責辞任した石井一党副代表らが、問題となった日の前日にも、マニラ首都圏郊外の別のゴルフ場でプレーしていたことが分かった。共同通信が19日、配信した。
石井氏らは「滞在中のゴルフは一度だけ」と説明していたが、ウソをついていたことになりそうだ。
(以上引用終了)
3.11、東日本を大震災が襲い、多くの方々が命を落とされました。事故以前の備え、事故後の対応、原発依存をどうすべきか、等と言った意見はあるでしょうが(後日詳しく取り上げたく存じます)、殆どの日本国民にとって、復興する事へ異議を唱える方は居ないでしょう。
与党である民主党が(成果はどうあれ)震災対応へ取り組んでいる中、石井議員がフィリピンへ外遊した際、ゴルフをされていたと報じられました。
そしてあろう事か「被災者に悪感情だから報道するな」と。何度もしつこいようですが、マスコミは氏の仰った事を守り、国民の殆どが氏の失態について報道を控えました。
(公務や接待であれば氏の言にも一理あるでしょうが、問題はプライベート中にもゴルフを嗜まれ、尚かつ「やっていない」と虚偽答弁をしたのが問題です)
平和・人権団体の方々は政府首脳の言論弾圧へ対し、何の行動も起こしませんでした。
きっと彼らは当事者ではない――被災者ではなかったのでしょうね。
政権批判したから。謝罪・訂正すれば受ける」民主党が長崎県知事の陳情拒否(読売新聞
2012年5月23日)
長崎県の中村法道知事は22日、記者会見を開き、民主党政権を批判したため、同党本部から来年度予算などに関する政府への陳情活動を拒否された、と述べた。
党側は「謝罪などをすれば受け入れる用意はある」と説明。県側は「政権与党が地方の陳情を拒否したケースは聞いたことがない」と困惑している。
県などによると、中村知事は13日 に長崎市で開かれた自民党県連の定期大会に出席。原子力発電所の再稼働問題などについて「民主党政権に対応できる能力が本当にあるのか、疑問を禁じ得な い」と発言した。この発言を問題視した党本部は長崎県連を通じて21日、県に「陳情は受け付けない」と伝えた。陳情は24、25日の予定だった。
(以下略・以上引用終了)
政府、つまり民主党を批判した知事からの陳情は受け付けない、ですか。一体日本はいつから中国や北朝鮮のような独裁国家へなってしまったのでしょうか?
そして其れを報じる義務を負う(公的な電波を独占している故に、公正・公正な報道が法律で義務づけられている)テレビや新聞の殆どが沈黙しています。
(少なくともキャンペーンを組んで権力の暴走を止めなければいけないぐらいの暴挙だと私は思います)
何かもう、書くのすら億劫になってきましたが――平和・人権団体の方々は政府首脳の言論弾圧へ対し、何の行動も起こしていません。
きっと彼らは当事者ではない――日本国民ではなかったのでしょうね。
あぁ本文とは全く関係無い話で恐縮ですが、国家社会主義ドイツ労働党――俗にナチス党と呼ばれるドイツの政党がありました。
ナチス党はドイツ国民の選挙によって信任を得た、という事実はあまり知られていません。
(常識的に考えて、ある日突然エイリアンのようにドイツを侵略した、なんて訳が無いと分かるでしょうに)
同党は第一次世界大戦でドイツへ課せられた莫大な賠償金、また支払いが遅れた事でフランスがライン工業地帯(勿論ドイツ国内)を侵攻・占拠する等、国民が対外不安を増す中で支持者を増やしていきました。
(詳しくは”ルール問題”で検索して下さい)
1932年には正式な選挙によってナチスが第一党となるのですが、実際の議員数は全体の三分の一程で過半数には届きません。
よって議員数を増やすため、彼らは”まず”共産党へ弾圧を加え、国政の場所から排除する事で国民の支持を得ていきます。
(尤も共産党員が先にナチス党員を暗殺したりと、当時もまた謀略に満ちた世界でした)
国政を簒奪した為政経験に乏しい政党が、自身の政治基盤を盤石にするため特定の人間や言論機関への弾圧を始める――と、まるでどこかの極東の出来事を聞いているかのような錯覚を覚えますね。
もしかしたら私達が目にしているものが後生への分岐点、後に”日本が再度軍国主義化していく始まりである”、等と教科書には書かれるのかも知れません。
勿論其処には、
「常日頃から平和や人権を謳っていたNGO、また公正な報道が課せられているマスコミは、嘗てナチス党がそうであったように、只彼らにとって都合の悪い事は伏せ、賛辞を繰り返すばかりであった」
と一文が加わるでしょう。良い機会なので苦言を一つ言上仕りたいかと。現在。平和・人権団体へ属している皆様方へ。
平和・人権を尊いと考える日本人は数多いでしょう。また其れを目的にNGOや法人へ参加した方も大勢いらっしゃると存じます。
時には自衛隊へ、時にはアメリカ軍へ、また時には住基ネットのような国民総背番号制度(個人情報が危うくなる可能性を含む法案)へ対し、様々な呼びかけや訴えかけをする事で、世論を動かそうとしてきたのでしょう。
私と信条とは違えども、其の行動力と気高く立派な(平和憲法遵守や人権尊重という)思想に対し、愚犀の身であってすら尊敬の念を抱きます。
何故か団体の活動に特定政党・候補の選挙応援という、本来の目的とはかけ離れた運動があるにも関わらず、上司(または同志という名の指導者)の方の意見に沿って活動を続けてきたのも推測出来ます。
其れで?貴方が行動してきた結果、身を粉にして活動してきた事により、何か現実は変化しましたか?貴方がそう言った活動をする切っ掛けになった出来事、例えば反戦なり護憲なりといった思想は叶っていない筈です。
何故ならば貴方をそういった活動へ導いた方、まとめた方でも構いませんが、にとって反戦や護憲は何かの利益を得るための“手段”に過ぎないからです。
ではもっと具体的に申し上げましょうか。上司の方へこう伺ってみて下さい。
「『住基ネット反対』と言っていたのに、どうして国民総背番号制度を推進しているのか?」
「『自衛隊の海外派遣反対』と言っていたのに、どうしてスーダンへ派兵しているのか?」
「『武器輸出禁止』と言っていたのに、どうして外国と開発・輸出を解禁したのか?」
「『クリーンな政治』と言っていたのに、どうして10億を超える脱税や外国人からの違法献金を受けている総理が居るのか?」
「そして何より――『別の税党が政権にあった際には、激しく糾弾していたであろう事柄が幾つもあるのに、どうして今、私達はなにもしないのか?』
――ぐらいでしょうかね?
恐らく明確な答えは返って来ないと思われますので、代わってお答えしましょう。
其の方達にとって貴方が求めていた“理想という目的”は、彼らにとって“手段”だったのですよ。証拠に現実がより悪い方向に向かっていたとしても、何故か抗議はしていない筈です。
はっきり言ってしまえば、そう言った活動を続けて来られた方の“善意”が、集票・集金・圧力団体として利用されていただけの話です。
勿論全てが、とは申しません。申しませんが、世界最大の”共産(社会主義)国家では、凄まじく貧富の差が激しい”という冗談のような現実を見るに、どんなに立派な思想・信条を掲げていたとしても、実行へ移されない限り詐欺と大して変わりはありません。
貴方が以上の事実を知った上で、上司の方へ、
「○○という意見があったのですが、どうなんでしょうか?」
と伺うのであれば、
「あぁ其れは××××だよ。あんな人間の言う事なんか信じなくて良い」
(××××にはデタラメな言葉が入ります)と“貴方の疑問に正面から応じず、質問者の人格を貶めて質問自体の正当性を疑わせる”ように仰るでしょう。
(相手にレッテルを貼る、詭弁の一形態です)
私も所詮は野良犀、身の証を立てる事も叶いませんし、ある意味上司の方が仰っている事にも一理は御座います。
無心に活動を続けられるも結構ですし、お友達の方と話し合ったり、上司の方と直談判するのもまた宜しいかと存じます。
私の言を見なかった事にして、または一笑に付して活動を続けたとしても、其れは其れで宜しかろうと。
まぁ精々……そうですね――特定政党のためには理念を掲げて政府を攻撃し、政権交代後にはそそくさと旗を降ろした、時と場合によって二枚舌を使う人間達、と一生涯言われ続けるだけですかね。
(そして貴方が今まで理念を説いてこられた方々、恐らくご家族・ご親戚・ご友人・ご近所の皆さん全員から、ですね)
読み返してみるとあまり苦言にはなっていませんが、宜しければ人生の指針として頭の隅にでもお入れ下されば幸いです。
人間は誰でも、いつでも変わる事が出来る生き物です。私の主張全てをいきなり受け入れろとは言いませんし、出来る訳もありません。
ただし忘れないで下さい。貴方は、絶対に、悪くない。騙す方と騙される方、どちらに非があるかは子供だって知っている事です。
(今後の反省のためにも多少の引け目は負うべきでしょうが)
貴方が事前に、きちんとした情報さえ得ていれば、現在貴方が面している困難には陥らなかったでしょう。
(嘘だとお思いならば政権交代を思い出してください。彼らがきちんと検証を積み重ねていれば今の状況にはなっていません)
繰り返します。貴方は、まだ、立ち直れます。どうするかは貴方次第ですが、一度は「世界を変えよう」と思ったのでしょう?其れに比べればであればご自分を変えるのはずっと容易な筈です。