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世 界を覆う病  〜衆愚政治2〜

 ギ リシャの例を出すまでもなく、時として人は無能な為政者を頂いてしまいます。其れが北朝鮮のような独裁国家でなく、民主主義国家であるにも関わらず、で す。

 なんと言いましょうか、政治でも経済でも、何かの信条でもそうなのですが、大抵の言論は二つに分類されます。


 一つは“現実を語る”。
現実や前提が○○であるから、××しなければいけない、と言った具合に話を展開していきます。

 もう一つは“理想を語る”。
 理想や理念が○○であるから、××しなければいけない、と言った具合に、前提として実現(目標)すべき理想があり、近づけようとする主張が多いです。


 二つのどちらが正しいとは言いません。現実と理想、両方を兼ね備えた方、つまり現実と目標を持ち合わせていないと為政には向かない、ぐらいの認識で良い と思います。
 ですが――今の日本には理想を語る“だけ”方が好まれているようです。具体例は幾つかの選挙で明らかになっています。

 どこぞの民主党なんかは最たる例ですね。
 其の場其の場で耳障りの良い、しかし実現など(主に効 率や財源の問題で)出来ない政策――要は理想を社会党時代も含め、次々と打ち出してきました。
 ですがいざ政権側へ立ってみれば、理想と現実の大きな 差異に立ちくらみを覚え、何もやれず何もやらず、出来るのは精々誰かのせいだと言い張るぐらいでしょう。

 ただし彼らだけを否定するのは酷かとも思われます。ある意味彼らもまた被害者だからです。

 例えば民主党が2009年の衆議院選挙に掲げた公約、通称マニフェストがありました。選挙前に当時与党であった自民党はこう問いました、財源はどうする のか、と。
 対して民主党はこう答えます、埋蔵金がある、と

 ……正直、初めに聞いた時幻聴かと疑いました。予算の組み替えをして、どうすれば16兆円引っ張ってくるのか、と。
 結果どうなったかは最悪でした。其の殆どが履行出来ないのは兎も角として(民主党へ票を投じた方にとっては裏切られたと思いますが)、仕分けと称して大 々的なパフォーマンスを繰り返します。
 結果廃止となったのは防災予備費や塩の備蓄、麻生内閣が組んでいた老朽化した原発や学校の耐震工事でした。
 また無理な予算組み替えによって防災関連の事業が起こせず、2009年チリ沖であった地震を鑑み、日本国内で大規模な避難訓練をしようと野党が提案して も、受け入れられる事はありませんでした。
(※資料が集まり次第、原発問題と一緒に検証致します)


 “理想を語るな”とは申しません。しかし“理想で騙る な”とも言うべきです。国政や市政はパフォーマンスする場所ではありません。

 しかしよく考えてみて下さい。あの日、多くの日本国民が民主党へ投票した日、まるで戦争へ突き進む日本を彷彿とさせるかのように、絶賛していた人間達が 居ました。
 其れで?政権交代後に何か、貴方に何か良かった事は起きましたか?貴方のお住まいになっている(外国の方だったらごめんなさい)で、改善された事はあり ますか?

 そうなるようにし向けた方々はどうしていますか?責任を取って辞めましたか?不支持が響いて退任されられたのであれば、まだ理解出来ますがそうではない でしょう?
 テレビを付ければ庶民の味方風に、新聞を開けば正義の代行者の如く、自分達が一度は推し掲げた理想を、まるで無かったかのように“現実路線”とやらの話 をしていませんか。

 日本は太平洋戦争への道を選択しました。全てが全て間 違であったと否定するつもりも、また逆に全てが正しかったと肯定する気もありません。
(戦争とは紛争解決のための手段の一つであり、日本を除 く全ての国が放棄する事無く保持し続けている、という現実に照らし合わせますが)
 只、多くの日本人の合意を得た上で、大政翼賛会という政 治結社を結成し、勝ち目の無い戦争へと至ったのは事実です。
 ですが“どうして?”と言われれば、多くの方が首を捻るでしょう。当時の人間は軍国主義者だったのか、はたまた言論統制が採られていたのか、其れとも国 民は唯々諾々と政府の言う事を聞き続けていたのか、と。

 答えは、“マスコミ”です。
 日比谷焼き討ち事件でもそうだったように、本来である ならば公平・中立の筈の彼らが、叶うかどうか怪しい理想論を延々と宣った挙げ句に起こった出来事です。
 しかもマスコミは戦後も反省などしませんでした。つい数年前、まるでセイギノミカタのように毎日毎晩特定政党の応援団になっていましたが、彼らは何か、 “夢”以外に見せてくれたものはありますか?
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