header
 トップへ | 此のサイトについ | ご意見・ご要望のメール

放 射線量と科学的根拠 〜反原発と差別〜

 大 分前の話です。
 上司の上司が上司だった頃(結構前、ぐらいの話)、西日本某所へ出張に行きました。仕事場がある直ぐ近くに有名な温泉郷があり、また金曜の午後には終わ りそうなので、私と上司とは金曜日の夜、其処で一泊する計画を立てました。
 ……まぁ正直、おっさん二人で湯治場というのも、物悲しいものがありましたが。

 仕事を済ませ、予約していた宿へチェックインを済ませ、取り敢えずお土産屋を探す事にしました。上司は子煩悩な方で……仕事は立派な方なんですけどね。
 暫く散策していると店頭から卵の匂いがします。湯治場にありがちな硫黄の匂い、ではなく温泉の熱を利用してゆで卵(半熟卵)を作っているらしく、店先で 販売していました。
 少し小腹が空いていた私は、こうお店の方へ尋ねました。

「ラジウム玉子一つ下さいな」

 お店の方が、はぁ?という顔をされました。おや売っていないのか、と視線を巡らせると、其処の看板には『温泉玉子、一つ70円』と書いてあります。
 えっと此、売り切れですかね?と私が指さして聞くと、あぁはいありますよー、と対応して下さいました。
 一連の流れを見ていた上司も不思議そうな顔をしていたのですが、小皿を取り出す店の方へこう尋ねました。

「もしかして――ここら辺じゃラジウム玉子って言わないのか?」


 後日調べた所、福島県福島市にある温泉が、日本で初めてラジウム鉱泉であると発見されたそうです。其の後其処で作られた温泉玉子をラジウム玉子として売 り出され、近県でも温泉玉子と呼んでいた物が、ラジウム玉子と言われるようになった、と。
 生まれてから数十年間、温泉玉子をラジウム玉子と呼んでいた私はカルチャーギャップを受けました、という小咄なのですが――今日は放射線について勉強し たいと思います。


○○○○(脱原発に1票)
ニュース速報。上野動物園のパンダ、シンシン の赤ちゃんが死ぬ。
『あ〜あ。ヤッパね。あの辺りは放射能強いし、赤ちゃんにはきついん じゃないの?』って思う人多いだろうな〜。
東京に勤める友人にも幼い子どもがいるのでこ ちらに避難して新幹線通勤がでてきた。
子どもが育たない国になったね。


 以上は2012年07月11日のとある方からツィートを引用しました。どうやら一般の方らしいので実名は伏せ、○○という形にしています。
(興味がある方は文章内の文言で検索してみて下さい)

 上野動物園で死んだパンダ(亡くなった、というのも変ですので)の死因は肺炎です。母乳を気道に詰まらせてしまい、其処からばい菌が入って抵抗力が無い ために――と。
 上記のツィートはそんな公式発表を一切無視した流言飛語、言ってみれば嘘の一例ですね。

 福島県には今も尚、子供や其の母親が大勢暮らしているというのに、こういった嘘を撒き散らしている行為を私は看過しません。誰が相手であっても嘘は嘘だ と取り上げていきたいと思います。
 本来であれば風評被害や人権侵害(というか嘘)を糾弾する筈の報道、また人権団体が何故か一切そぶりを見せず、反原発の意見だけを採り上げているのが現 状です。
 そして(比較的責任が薄い)一般の方だけでなく、公的な方も例外ではなく。


ツイッター
https://twitter.com/#!/niwayamayuki
ブログ
http://niwayamayuki.cocolog-nifty.com/blog/

庭山由紀?@niwayamayuki
献 血の車が止まっているけど、放射能汚染地域に住む人の血って、ほしいですか?
http://yfrog.com/nx41iyfj
(※群馬県桐生市市議。ただし此の発言が元で 罷免されたという情報もあります)


早川 由紀夫(はやかわ ゆきお、1956年1月 - )は、日本の地質学者(対象は火山)・教員養成者。現在は群馬大学教育学部教科教育講座理科専攻教授。理学博士(東京大学)。
 ツイッターでは
「福 島県の住民は家を捨てて移住すべし」
「福 島県で育って放射能を浴びた娘は我が家の嫁には迎えないが、これは合理的な理由があるから差別ではない」
「福 島県の農家が牧場で牧畜やセシウムで汚染された水田で稲作を行うのはサリンを作ったオウム信者と同じだ」
「私 は、ちゅうちょすることなく相手を殺します」
といった過激な発言を行っている。これについ て早川は「ツイッターの読者を増やすために意識的に刺激的な発言をした」「地図を広め、理解を浸透させたかった」と説明している。
 群馬大学は一連の発言について6月頃から何 度も注意を行ってきたが改善が見られないとして、2011年12月7日付で早川に対して訓告処分を行った。群馬大学側は「(早川の)研究成果ではないため 言論統制には当たらない」とコメントしている。
 早川は処分を受けた後に「あんな ひどいことをした福島農家と一緒にしてしまって、オウム信者に申し訳なかった」と発言している。
 2012年2月には、「福島の 農家は放射能を含んだ野菜を出荷している。これは殺人未遂罪に該当する」と主張した。


 と、言った具合に為政に関わる人間から教育に携わる人間までと、幅広いですね。
 脱原発を 唱える方が極めて悪質な風評被害――という名の“差別”をしています。まぁ彼らの主張は反原発であり、其のためには福島が復興して欲しくな いという思いなのでしょうが、私にとっては絶対に容認出来ない思考です。
 ”実名であるだけまだマシ”かもしれません。中には情報ソース不明、ただ”消息筋からの情報”として、福島出身の妊婦の方が障害児(実際にはもっと酷い 言い方をしています)をたくさん産んでいる、等と匿名のブログで煽っている人間も居ます。

「一体貴方はどちらからどのようにして、其の情報を得たのでしょうか?また事実だとして何故各種報道機関や研究機関へ通報せず、ツイッターやブログ”だ け”で情報を流すので?」

 と、其のブログへ書き込もうとしたのですが、コメント欄は全てブロック済み、メールアドレスは無かったので断念しました。
(というか私もコメント欄とかカウンターとか作りたいです)


 さて、福島原発の水素爆発後、周辺地域を中心に放射線量が高くなりました。SPEEDIという予測装置があったにも関わらず(そしてほぼ的中した)、何 故か当時の民主党菅直人政権は予測を隠匿し、結果住民が避難した先に多くの放射線が、という事態に陥りました。
 また現在でも線量の高い原発周辺、また新地町等は立ち入りが禁止や制限されています。

 放射線の 被曝量の目安として挙げられているのは、“一年間に100ミリシーベルト未満”でしょうか。其れ以上になると子供が喉頭癌になる可能性が 0.5%上昇すると。大人に対しての影響は不明、ただし喫煙の方が余程発癌率は高いそうです。
 上記ツィートではそんな事すら無視し、東京に居る子供が即死するような、非常に悪質なデマを撒き散らしています。


 まぁ其れはさておき(いや幾らでも追求しますが)自然界にも放射線を発している物質が多々あり、そして其れは人体への影響に違いはありません。
 日本の原発で使われている放射性物質と天然の放射性物 質、どちらもまた有害であるのに変わりはないのです――“一定量を一度に浴びれば”ですが

 日本で最も有名なのは冒頭にあったラジウム泉、所謂“放射能泉”です。


放射能泉
 放射能泉(ほうしゃのうせん)は、掲示用泉 質名に基づく温泉の泉質の分類の一種である。

概要 
 微量のラ ジウム、ラドンおよびアスタチンから水銀までの原子核崩壊によって生じる放射性同位体が含まれるのが特徴。たとえば有馬温泉 の源泉近くでは13マイクロシーベルト/時(※犀補足・一時間当たり13マイクロシーベルト)を被曝する。この量は、原子力安全委員会の指 針では屋内退避が推奨される被曝量である。
 これに対し、「健康への悪影響は一切なくむ しろホルミシス効果による免疫細胞の活性化により健康になるため積極的に被曝すべき」とする者もいる。その一方で、ラドン被曝などでの健康に対する害への 指摘もある。
 このように放射能泉やホルミシス効果には、 益とする意見と害とする意見があり、賛否両論である。
 放射能泉のうち、ラジウム含有量が多いもの を特にラジウム泉と呼ぶ。

泉質の定義 
 温泉水1kg中にラドンを3ナノキュリー (=8.25マッヘ単位 = 111ベクレル)以上含有。
 単純弱放射能泉・含弱放射能泉のラドン含有 量は8.25マッヘ単位/kg以上50マッヘ単位/kg未満。単純放射能泉・含放射能泉は50マッヘ単位/kg以上。
(以下略)


 興味深い記述がありました。

た とえば有馬温泉の源泉近くでは13マイクロシーベルト/時を被曝する。
こ の量は、原子力安全委員会の指針では屋内退避が推奨される被曝量である。

 ふむ、では年間被爆量に換算してみましょう。


13×24(時間)×365(日)÷1000(ミリシーベルト値へ変換)
=113.88(単位;ミリシーベルト)


 おや、つまり有馬温泉源泉近くに住んでいる方は、相当 被爆している計算になりますね――という不謹慎な冗談は兎も角、同温泉郷(や、全国各地にある放射能泉)に居る方は“被爆”されているので すよね?また源泉がそうである以上、近辺も相当量の放射 線が観測されているのは間違いないでしょう。
 そして今日ま で、そういった所に住まう方々が身体の異常・変質等の報告が一切無く、病気や癌が増加したという研究報告が皆無です。また周辺地域が断ち切り禁止になった という事実も無い、其れが全てだと思います。
(加えて言うなら湯治場として数多くの方がいらしています)

 何事も程度問題であり、大量に多くの放射兼を浴びれば人体へ有害なのでしょう。
 しかし少量、其れも長い時間をかけて被爆しているのは、大して問題にならない――そう私は主張したいです。
 除線作業が一度も行われていない広島・長崎の例は言うに及ばず、またMIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者の方がこう発表しています。


■長期放射線被曝の新発見
―MITの研究によると、低線量、及び低線量 率被曝がDNAに与えるリスクは小さい―
Anne Trafton, MIT News Office
May 15, 2012
http://www.twitlonger.com/show/hgi7a6
翻訳元:http://web.mit.edu/newsoffice/2012/prolonged-radiation-exposure-0515.html
 MIT(マサチューセッツ工科大学)の科学 者による新しい研究によると、政府が原子力事故後に人々を避難させるタイミングを決定するために使用するガイドラインは厳しすぎるかもしれない。
 journal Environmental Health Perspectivesに掲載された、Bevin EngelwardとJacquelyn Yanchの主導によるこの研究で は、マウスがバックグラウンドの400倍程度の放射線量に5週間さらされたとき、DNA損傷が全く検出されなかったことが判った。

 現在の米国の規制では、バックグラウンドよりも8倍も高い放射線レベルに到達した地域は全ての住民を避難させなければならない。 しかし、このような避難に対する金銭的、もしくは感情的な負担は価値がないかもしれない、そう研究者は言っている。

「それは危険なレベルであると言うデータはありません。」 MIT原子力工学科の上級講師であるYanchは言う。 「本論文 では、平均的なバックグラウンドレベルよりも400倍高い放射線量でも行動可能であり、かつ遺伝子損傷を検出していない、ということを示しています。 我々がいつ避難するべきでいつその必要が無いかという事を発見したというのならば、原子力発電所の事故や原子爆弾の爆発の周辺にいた数万、ないしは数十万 の人々に対して非常に大きな影響を持つでしょう。」

 今まで、長期間にわたる低線量被曝の影響についてはほとんど研究がなされていなかった。本研究では、バックグラウンドの400倍(0.0002 cGy/m、または105 cGY/y)という低線量下で見られる遺伝性の遺伝子損傷を測定した最初のものである。

「ほとんどすべての放射線の研究は1回の急激な被曝で行われています。長期的な条件と比較し
た場合は全く異なる生物学的結果を引き起こす かもしれない。」MITの生物工学の准教授であるEngelwardは言う。

●それはどれくらい過剰なのか?

 バックグ ラウンドは、環境中の宇宙線や天然放射性同位元素に由来します。これらは平均1人あたり年間約0.3 cGyにのぼります。

「低線量率放射線への暴露は、自然であり、生活のために不可欠と言う人さえいるかもしれません。 問題は、我々は健康上の悪影響を心配する必要がある線量というのはどれくらいかという事なのです。」Yanch氏はこう述べる。

 これまで の研究では、10.5 cGy(本研究で使用した総線量)を一度に被曝すると、DNAの損傷を生じるという事が示されている。しかしなが ら、本研究で は被曝の期間を5週間に広げ、線源を放射性ヨウ素とした。放射性ヨウ素から放出される放射線は、日本で損傷した福島の原子炉から放出されるものと同様で ある。

 5週間後、最も感度の良い方法を用いてDNA損傷のいくつかのタイプが計測された。これはDNAの塩基の構造が変更されている場合とDNA鎖が切断され ている場合の2つのタイプに大きく分けられる。そして彼らはどちらの タイプでも有意な増加が検出できなかった

 DNA損 傷はバックグラウンド値でさえ1日で1細胞あたり約10,000の変化の割合で自然に発生する。それらの損傷は各細胞内でのDNA修復システムで修復され ている。研究者たちは、今回の実 験での放射線量では、1日で1細胞あたり数十の病変を増やしたが、それらはすべて修復されてしまった、と推測している。
 研究は5週間で終了したにもかかわらず、こ の結果は長期間被曝と同じであろうとEngelwardは考えている。「この研究での私の主眼は、まずこの被曝量ではそれほど多くの病変を起こさないとい う事です。そして、あなたは良いDNA修復システムを既に持っているという事です。私の推測では、マウスを今回の実験の条件でずっと置いていてもダメージ は見つからないでしょう」

 マクマスター大学で医学物理学および応用放射線科学の教授をしているDoug Borehamは、この研究は低線量被曝は人々がしばしば恐れるほどの害を及ぼさない、という論説に追い風になるものだと言う。

「現 在、すべての放射線は人間に悪影響があると信じられ、僅かな放射線の被曝はいつでも癌リスクを上げると信じられている。」この研究には関わっていない Borehamは言う。「現在、そのケースにはない結果が出来てきている」

●守旧的な見積もり

 避難ガイドラインがその根拠としている放射線の研究のほとんどは、元々は職場での放射線の安全レベルを確立するために行われた物である、とYanchは 述べている。つまり、それらは非常に守旧的であるという事だ。職場の場合は、雇用主は全ての労働者に一度に防御対策を行うことができるので、これは理にか なっている、そう彼女は言う。

 しかしながら、「汚染された環境下の場合、線源はコントロール出来ず市民は自身の被曝から逃げる必要がある。」Yanchはこう述べている。 「彼らはもしかしたら永遠に、自宅や自分のコミュニティを置き去りにする必要があります。 あなたが福島で見たように、職を失うこともあります。 そして、あなたが望む放射線の影響の分析がどれだけ守旧的かという事を疑問に思ってほしいのです。守旧的になる代わりに、危険な放射線量はどれくらいかと いう最適な推定量を探し出す方が理にかなっているでしょう。」

 これらの推定値は急性放射線被曝に基づいており、それを低線量および低線量率で何が起こるか外挿されている、とEngelwardは述べている。「基本 的には、長期間にわたって非常に低線量で何が起こっているかについての予測を行うためには、急性高線量の被曝に基づいた収集データセットを使用していて、 直接の低線量被曝のデータはありません。 当て推量なのです。」と彼女は言う。 「人々は、低線量および低線量率何がで起こっているかを予測する方法については常に論争しています。」

 しかし研究者達は、避難のガイドラインが改訂される前に、より多くの研究が必要である、と言っている。

"明らかに、これらの研究は、動物ではなく人で行わなければなりませんでした。しかし、多くの研究では、マウスとヒトは放射線に対する反応の多くを共有し ていることを示しています。したがってこの研究は、現在のガイドラインの追加調査と慎重な評価のためのフレームワークを提供しています。」 Engelward氏は述べています。

「興味深い事に、約10万の住民の避難にもかかわらず、 日本政府は被曝している市民の避難が不足していると非難されました。 我々の研究から、残された人々が過剰なDNA損傷を示さないだろうと予測しています。これは我々が最近我々の研究室で開発された技術を使用して実験した結 果によるものです。」と彼女は付け加えた。

これらの研究の最初の著者は、元MITのポスドクWerner Olipitzであり、実験は生物工学学部のLeona SamsonとPeter Dedon研究室と共同で行われました。 これらの研究は、DOEによる環境健康科学のためのMITのセンターによってサポートされていました。


 反原発の方のブログを読んでいると、年間100ミリシーベルトで0.5%リスクが高まるのであれば、1ミリシーベルトで0.005%の危険があるのでは ないか、との意見もあります。

 ですがよく考えて見て下さい。
 10mの 高さから飛び降りれば、まず大怪我は免れないでしょうが、其の100分の1、10cmの段差から降りて怪我はしません。ラジウム玉子であっても割れずに転 がるでしょう。
 また同様に低放射線 (年間100ミリシーベルト未満程度)が健康に影響を与えるのであれば、どうして放射能泉のある湯治場で何も起こっていないのでしょうか?其 れとも原発の放射線は人を殺し、其れ以外は無害とでも言うのですか?


 反原発を志している方にお願いがあります。貴方達は恐らく確固たる信念や信条があるのだ、とは思います。思想の自由がある以上、私は貴方達を無為に侮蔑 したり攻撃したりはしません。
 また貴方達が冤罪で弾圧されたり、不当な扱いを受けた場合には(微々たるものですが)、言論弾圧を許さないためにも力を尽くしたいかと存じます。

 ですが――貴方達の 理想は嘘を吐いてまで実現したいものですか?福島県にはまだ多くの日本人が住んでいるというのに、どうして貴方たちの口からは風評被害や差別を助長するよ うな言葉しか出て来ないのでしょうか?
 繰り返しお願い致します。福島県産の物を受け入れろ、と言っている訳でもなく、被災瓦礫の処理を手伝えと言っている訳でもありません。
 また不買運動や買い控えをするのも……まぁ、個人の自由の範疇であるとも思います。内心忸怩たる物がありますが。
 が、其の根拠や理 由に、科学的な裏付けが一切無い、嘘や流言飛語の類を持って来、またあたかも其れが真実であるかの如く扇動するのは止めて下さい。嘘を用いてまで他者を貶 めるのは、歴とした犯罪行為です。


 勘違いされるかも知れませんが(そして何故か原発推進 派だと“ネットウヨク”と呼ばれるようです、一体何なんでしょうね?)、私は“緩やかな”脱原発派です。代替案や既存の発電設備を増やした 上で、徐々に原発を減らしていければ良い、と思っています。
 何故ならそうしないと日本の経済が停滞するからで す。只でさえデフレで需要が無い現状で電気料金の値上げ、または輪番停電や節電で自由に電気を遣えなく なれば、企業は海外へ移転しなくてはいけません。家庭にとっては数千円の値上げであっても、企業にとっては数千万というケースも珍しくはないでしょうか ら。
 個人的には海外移転の流れには非難したいのですが――企業が方の範囲内で経済活動をする事に、文句はつけられないんですよね。具体的には国内だと自社が 不利益を被るのに、海外へ行くなとは言えません。
(言うのは言えるでしょうが、「俺の雇用のためだったら会社が潰れても良い」ぐらいの物言いになってしまいます。犀ですが分別ぐらいは弁えています)

 よって代替エネルギーまたは既存の発電施設を増強・増設し、原発の力無しにやっていける所までは遣うか、徐々に段階を経て停止するのが“現実的”な脱原 発だと思います。
 というか原発を減らす・無くすには其れ以外の方法が無いかと存じます。太陽光発電・洋上風力発電などの代替発電が進んではいます。
 しかし曇りや雨の日にはソーラーから発電出来ないでしょうし、風力も安定した(常に風が一定以上で吹いている)供給も難しい。晴耕雨読の生活、文明レベ ルを近世程度まで落とすわけにも行きません。

 日本には思想・信条の自由があるとはいえ、急進的な脱原発派(反原発派)の言っている事は無茶苦茶です。
 原発は直ちに廃炉にしろ、火力発電所(燃料は主にガス)を動かした分の負担は電力会社が持て、給料が高すぎる法人の資産を売れ……何というか、正気とは 思えません。

 其の反面、何故か海水注入の一時停止を指示し(実行に は移されませんでしたが)、米軍からの支援要請を断り、ヘリで乗り込みベント作業を遅らせ、無意味な指示を連発し対策班を乱立させた菅直人元総理の責任は 不問としています
(それどころか某新聞では英雄の如く扱われています)

 ……“緩やかな”脱原発派の立場としてはっきり言います。反原発派の方達は一体何をしているのですか?放射線の被害を捏造し、福島県があたかも死の土地 であるかのように吹聴して回るのでしょう。
 また東京電力へ対して理不尽な要求を突きつけ、経営そのものを成り立たなくさせようとしています。少なくとも電力不足であるとの申告を、「嘘だ!電力を 隠している!」と何の証拠も根拠も無く、相手が犯罪者であるかのように追求するのは、端から見ていても常軌を逸しています。
 そう言った理不尽な活動を止めろ、とは言いません。言いませんが――其れは過去あった学生運動や安保の反対の流れを踏襲するだけで、其の先には何もあり ませんよ?
 冗談や揶揄一切抜きで自らの行動を顧みるようお勧めします。

 反原発の 方が急進的(異様)な行動をする度、一般の方が引かれています。少なくとも脱・(反)原発を願う署名の人数は多く集まる反面、原発が立地している所での地 方選挙では全て再稼働派が連勝しています。
(地元の経済に直結しているのですから、当然と言えば当然なのかも知れませんが)
 繰り返しますが、反原発の方はもう少し現実を見て下さい。貴方方が先鋭的な(其れでいて差別的な)行動を取れば取る度、支持を失っていきます。
inserted by FC2 system