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李大統領の天皇謝罪発言3 〜戦後の外交努力と背景〜

 戦後の日本、というか自民党の外交政策はひたすら“融和”でした。

 中国・韓国へは技術移転や円借款、国交の無い北朝鮮は除きますが。
 まぁ“誠意を見せれば相手も許してくれる”という信念が根底にあったんでしょう。其の思想自体は尊いものですが、現実は日本が彼らへ譲歩すればする程、此方の厚意を踏みにじってきました。


 田原総一朗氏は以下のように仰っています。


田原総一朗「社会党や共産党が力を持っていた時代だったので、韓国に何も言えなかった」(2012/08/27)
http://news.livedoor.com/topics/detail/6891424/
http://blogos.com/article/45634/
(前略)
 1965年に日韓基本条約が締結されるまでに、「李承晩ライン」を日本の漁船が越えて侵入したという理由で、328隻が拿捕、 3929人が抑留された。44人が負傷、うち5人が亡くなっている。
 ところが、日本は韓国に対して、何も言えなかった。
 当時は安全保障を考えないことが「平和」だという時代だったのだ。
 社会党や共産党が力を持っていた時代だったのである。
 しかし、その後も日本は、この問題で何もしてこなかった。
 自民党政権は、何らかの対応をすべきだったのだ。
 それを先延ばしして、無難にやってきた。
(以下略)


 中国は兎も角、韓国に関しては日本だけの意向たけではなかった、と申しましょうか。韓国の場合ですと“西側のショーウィンドゥ”という側面が非常に強かったのです。
 東西冷戦の手前、発展せざるを得なかった、と申しましょうか。嫌な言い方ですが、恐らく事実ではないのか、と私は根拠無く確信しています。

 しかし――十年程前でしょうか。盧武鉉前大統領が在韓米軍の撤退を締結しました。
 2012年に撤退する筈が、現在は2016年まで延期されました。
(米韓FTAで韓国側が不利益を飲まされるのと引き替えに、という憶測が流れました)


金宗フン本部長「韓米FTA協定文改正はない」(聯合ニュース  2012/06/30)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2010/06/30/0200000000AJP20100630003000882.HTML
(前略)
  また、政府が韓米連合軍司令官(在韓米軍司令官)から韓国軍への有事作戦統制権移管時期を延期する代わりに、FTA実務協議で米国に譲歩する「取り引き」をしたとの批判が一部で上がっていることに対しては、「荒唐無稽むけい)だ」と切り捨てた。
(以下略)


 オスプレイ配備でも思ったのですが、“対中(含む北朝鮮)最前線である韓国へ配備しないのか?”という疑問がありました。
 台湾や東シナ海(南沙諸島は遠回りですが)で有事が起きた際、在韓米軍は早急に兵士や兵站を展開出来ます。
 そもそも東側と国境を境にしているため、軍事上は最前線であるのと同義でした。

 そう、“でした”と過去形です。


中国とも軍事協力推進 韓国、朝鮮戦争後初(2012.5.21 14:07 [韓国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120521/kor12052114080001-n1.htm
 韓国国防省報道官は21日の定例記者会見で、中国との間で、韓国軍と人民解放軍が物資などを相互に融通できる協定の締結交渉を行っていると明らかにした。
  朝鮮戦争(1950−53年)で戦った中韓が軍事分野での協定を締結すれば初めてとなる。
 韓国は日本とも、自衛隊と韓国軍が部品や輸送作業などを融通できる物品役務相互提供協定(ACSA)など2協定の締結協議を進めているが、韓国の野党などの反対で締結時期は不透明になっている。
 韓国では、日韓協定が日米韓3カ国の軍事協力強化を警戒する中国の反発を招く、との反対論があり、韓国政府は中国との協定締結でこうした声を抑えられると見込んでいるもようだ。(共同)
(以下略)


 “あっち側”へ行っちゃったんですね。其れもまた韓国国民が判断すべき事なので、私達がどうこう言うのも筋違いでしょう。
 まさかとは思いますが、コーモリを狙っているのか……まぁ国ならずとも、”どっちつかず人間は誰からも信用されない”ため、そんな馬鹿なもくろみはない、と思いたいです。


 昔の言葉に「衣食住足りて礼節を知る」という言葉があります。人間はきちんとした環境があればきちんとした人間に育つ、と言う意味です。
(ただし逆に言えば劣悪な環境からは、劣悪な人間しか生まれない、と言う意味になってしまいますが)
 対中戦略はまさに其れの繰り返しでした。東京オリンピック最中に核実験を強行された事もあります。また天安門事件で経済制裁を受けても、天皇陛下が訪中する事で緊張を和らげました。

 ですが、残念な事に日本の誠意は全く以てこれっぽっちも伝わりませんでした。まぁ此は中国だけでなく、特定アジア三カ国全てについて言える事ですが、度を超した(虚偽が殆どの)愛国・反日教育を施したため、親日になる筈がなかった、と。
  北朝鮮に関しても常任理事国である中国の庇護の元……まぁ今更私が言うまでもなく、日本人拉致・核実験・弾道ミサイル開発(+中東へ輸出)と、悪の国家の良い見本ですね。


 さて、此所へ来て未だに自民党へ全責任を転嫁しようとしている方々が居ます。責任の有る無しであれば、有ると私も思います。
 しかし“政治家とは民意無しでは動けない(動いてはならない)”のもまた事実です。特定アジア三カ国との仲を険悪にさせたくなかった過去数十年、自民党は “民意”を反映して其の通りの行動を取ってきました。

 ですが――果たして其の“民意”とは本当に国民の総意だったのでしょうか?つい数年前に日本国民が誤った情報を元に選択肢を誤ったのと同じく、其の民意すらマスコミによって作られていたのではないでしょうか?

 以前書いた記事で「日本は平和じゃないけれど、平和であるかのように装っていた」と書きました。勿論主語の部分“誰が”は“マスコミが”です。
 実は今回の一連の事件も私や私が良く見に行く匿名掲示板では、其程驚かれていませんでした。何故ならば中・韓国・北朝鮮は以前から似たような言動を繰り返しており、其程珍しい事ではなかったからです。
 只、一般の方にとっては衝撃だったでしょう。何故ならばテレビや新聞は三ヶ国が日本を攻撃しても、何の報道もしてこなかったからです。知る機会がなかったからこそ、今回の大醜聞でより強い印象を受けたのでしょう。

 過去の日本人もそうでした。マスコミがすべき報道事項、1954年に発生した竹島問題、1979年に発生した尖閣問題を、全くと言って良い程取り上げず、只々彼らとの友好だけを叫んでいました。
(ついでに向こうの言う誤った反日教育を鵜呑みにし)
 結果として当時の政府も何も出来ず現在へと至っています。尤も紛争解決に武力を用いられない我が国は、大した手を打てなかったでしょうが。


 其れに気づいた私達はどうすればいいのか――明日に続きます。
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