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マスコミが生もうとしている政治家 〜日本維新の会〜

六韜
交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。
交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。
そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。
そしてやがては滅ぶ


 中国の有名な兵法書、六韜(りくとう)の一節です。日本に於いては源義経が読んでいたという伝説が伝わっています。まぁ相当古くから存在していた兵法書との認識で良いと思います。

 古典を引き合いに現代を語るのはあまり宜しくはありません。時代背景や状況が異なる中、古代の常識が現代にも応用出来るとは言い難い面があるからです。
(特に軍事。兵器が存在しなかった時代の戦術論を、現代では通用しないでしようし)
 只、逆に言えば“古代と現代では然程変わりがない分野”に於いては充分価値を見いだす事が可能です。

 ……でもまぁ、上の例にあるように割と常識的な場合が多いです。

『無能な為政者を戴けば国が滅ぶ(=外国にとって有り難い指導者とは、自国の障害とならない無能な政治家である)』

 と、言うだけの話です――まぁ実際に理解しているかどうかは別にしても。


 2012年9月14日、日本の領海内である尖閣諸島近辺の海域へ、中国の漁業監視船(武装を見るに日本の海上保安庁のようなものだと推測されます)六隻が進入しました。
 彼らは日本の船舶へ対し「ここは中国の領海内だ!ただちに立ち去れ!」と退去を求め、暫くした後に領海内から去っていきました。

 以前の記事でも書きましたが、民主党が中国へ“配慮”し、尖閣三原則を守ったために起きた出来事だと推測されます。
 分かりますか?日本が譲れば譲っただけ、相手は踏み込んでくるのです。

  あぁもしも私こと弾犀が「対外脅威を煽って軍国化を進めるアジテーターだ!」「自民党の工作員だ!」等とお疑いになるのでしたら、どうか私のブログなどご 覧にならない事を推奨致します。恐らくそう考える方の望むようなブログでは御座いません。此の先を読み進めたとしてもご不快になるだけでしょうから。
 ですが一言だけ聞いて頂けるのであれば、貴方が私のブログを読まず、ご自分の時間をお好みのコンテンツへお遣い頂いたとしても、現実は一切変わりませんよ?
 それどころか事前情報無しに事実が上がってくるため、内容や背景を理解するのに大幅な時間を浪費するだけでしょう。

 避難訓練をするかしないか、また事前に避難する場所やルートを知っているかいないか、其れだけで生死を分ける状況だってあります。


 さて本題へ戻りますが、まぁ先に結論を言ってしまえば“無能な政治家が持て囃されれば日本は駄目になる”というお話です。
 別に民主党の事“だけ”を言っているわけではありません。今日から数日に分け、橋下大阪市長が結成された日本維新の会について取り上げようと思います。


 まずは橋下市長を突き動かす政策、まぁ氏が政治を目指す原点ともなった“大阪都構想”でしょうか。大阪府を大阪都にしたいが、知事・市長の立場ではどうにも出来ず、国政へ打って出た、との話です。

 其れで?大阪都になってどうするんですか?呼び名以外にどう変わるのでしょうか?そもそも東京“都”とは、“其の国の首都であるため”という意味が入っているのですが。
 東京都“だけが持つ特権”とやらを大阪府にも欲しい、との考えなのでしょう。大の大人がまさか「東京だけ“都”と呼ばれるのが気に入らない」何て発想ではないでしょうから。
 では其の“特権”は何でしょうか?東京都にだけ許されている特権とは一体どのようなものでしょうか?

 また仮にその特権とやらが存在するとしましょう。其れを行政的な優遇措置であるならば、其れをそのまま大阪府へ導入すればいいだけの話です。
 では何故其れをしないのでしょうか?立法的な問題?で、あれば知事会で賛同を集い、与野党へ訴えれば良いだけの話では?
(知事は何らかの形――県議会・市議会――で既存の政党と繋がりはあるでしょうから)

 また何か行政的な面で東京都が優遇されているのであれば、どうして同業他社である全国の知事は沈黙しているのでしょうか?是正を求めて団結したとしても良いはずでしょうに。


 ざっと考えられるのはこのぐらいでしょうか。まぁそもそも素朴な疑問があります。


 大阪府知事になってすら改革が出来ないと言い、橋下氏は大阪市長になりました。
 そして市長になっても改革は出来ないと言い、次は国政を目指すと仰っています。

 恐らく橋下市長は野党の党首になってこう仰るでしょう。
「改革が出来ないのは、維新の会が野党だからです!皆さん、私に一票を!」
 与党になれたとしても大して変わりません。
「改革が出来ないのは自民党の負の遺産です!ですから次の選挙も維新へ一票を!」
 何と申しましょうか、橋下氏が得意げな顔で堂々を遊説する姿が目に浮かびます。まぁ維新の会が国政に出ようが、其れ自体は別に構わないのですが。

『維新八策も民主党のマニフェスト並の出鱈目さ(デフレ時にインフレ政策)、安全保障と防災の視点は全く無い代物を掲げ、其の場其の場で耳障りの良い事ばかりを約束する民主党と何ら変わりはない』

 と私は思います。
 根底に大阪を変えたい、日本を良くしたいという理想があったとしても、氏の残した結果は一体何がありしまたか?公務員の労働組合の(就業時間内の)禁止、入れ墨を入れた職員への指導……でも、其れは当たり前の話ですよね?
 私の住んでいる所の自治体では、其のどちらとも行われていません。しかし労働組合が幅をきかせていたり、入れ墨のある職員が闊歩していたりもしません。
(大なり小なり問題はありますが)

 其れで?大阪で其の他に良くなかった事はありましたか?何か橋下氏の実績になるような、例えば一国の経済を解決するような、素晴らしい政策を大阪でも行ったのですよね?
 まさか“反原発を掲げ、近郊の原発の再稼働を否定し、節電すらもするなと良い、大阪の製造業が区域から撤退していった”等という事はないでしょうから。
 加えて“本当に電力が危なくなると、原発再稼働をあっさり容認する掌返しを行う”何て話も無いでしょうし。


 例えば――貴方の会社へ新入社員が入ってきたとしましょう。彼、もしくは彼女はこう言います。

「私の言うプロジェクトを進めれば株価三倍!手形は不要!4年で会社を上場させてみせる!」

 ……まぁ精々頼もしいな、と上司に軽く笑われるだけで、其の方の言い分を鵜呑みにする人間はまず居ないでしょう。ましてや言う通りに仕事を進めるのは皆無でしょう。
 大抵は仕事を覚える所から、そしてある程度其の人物の能力が分かってきた所で、其れを生かせる仕事をさせるでしょう。要は適正を見るのです。
(私の所は零細なのでそうも言っていられませんが)
 其の適正はどうやって判断するか、と言えばやはり“実績”なのです。

 橋下氏はある意味“真っ白”です。今まで政治的な活動をしてこなかったのですから、当然と言えば当然です。クリーンと言い換えても構わないでしょう。
 しかし其れは同時に“政治的な経験の浅い証拠”でもあります。既存の政党に関わらず、自身に賛同する人間“だけ”を集い、政治行動をする――悪い言い方をすれば歩き始めた子供の無垢と大差ありません。

「結婚したら真面目に働く」
「子供が生まれたら真面目に働く」
「子供が幼稚園へ通うようになったら真面目に働く」

 そんな事を言っている人間と何が違うのでしょうか?
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