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福島の近況について 〜農作物と被災瓦礫〜

 今年は東北の農家にとって受難の年でした。雨が極端に少なく、日照時間と平均気温が異様なまでに高かったようです。そのため全体的に農産物は小さめで味が濃くなりました。
 反面、九州地方は何度も大雨の被害を受け、ままならないなぁ、と。せめて平均的に降ってほしいと多くの方は祈ったことでしょう。


 いわき市某所、大体原発から30kmぐらいの地点の写真です。知人のお墓参りに行った帰りに撮りました。
(2012/08/16前後)

(2012/09/22前後)



 勿論出荷されている全ての米は、放射線量が国の基準値以下であるのかせ確認されているものです。安心できる――か、どうかは私が判断する事ではありませんが、宜しかったら是非お召し上がり下さい。
 まぁ少なくとも半世紀程前、異様に放射線量が高い時期があったのに、一切無視した上、以後何の被害や後遺症も報告されていない、という事実もまたあります。


 では次に双葉郡から非難されている方達の近況です。
 2012年9月上旬、いわき市と彼らの間で話し合いがまとめられました。議題は“仮の町”についてです。
 現在約2万人程仮設、または借り上げた住宅へ住んでいるのですが、彼らは最低でも後五年は帰還できない(だろう)としています。よってそろそろ“町毎に集団で居られる所が欲しい”そうです。

 四つの市町村だとして、一つ当たり5000人の集落を何処へ作ったらいいのか?と、いうかなり大きな問題が上がっています。確かに田舎なので其れなりに土地は余っていますが、そもそも遊ばせている土地があるのならば、最初から其処へ仮設住宅を置いたでしょうし。
(現在かなりの飛び地になっています)
 話し合いは何も決まらずに終わりました。正直、どういう結論を出すのか想像できません。


 また広野辺りの避難勧告が解かれ、昼間に限っては立ち入りが可能となりました。それは良かったんですが。
 えっと……この間、朝通勤する際、仮設の近くにバスが駐まっていたんです。中には小学生らしき姿がありました。
 おや、朝早くからどうして……遠足か旅行かな?と深く考えずに其の場を離れました。
 しかしバスは次の日も、其の次の日も同じ場所、ほぼ同じ時間に駐まっていました。

 近くのコンビニで訊ねてみました。
「あぁ確か避難区域から解かれたので、仮設の子供達は双葉まで戻って授業を受けているみたいですよ」
 そう苦笑されていました。

 どう、なんでしょうね?市内に小学校等幾らでもありますし、少子化+過疎化の影響で教室は残っていますし、廃校を利用しても良いと思います。
 朝夕片道一時間以上かけ、わざわざ行く必要があるのでしょうか?せめて夜間も滞在できるようになってから、の方が良いとは思うんですが……。


 また漸く被災瓦礫の処理が始まりました。今までずっと手付かずだったのが、最近になって周辺住民の理解を得られたそうです。
 尤も量が尋常ではない上、埋め立て地(最終処分場)も確保されていないため、先の展望は何も見えていないのと同義ですが。
 ともあれやらない事には終わりませんし、まぁ前へ向かって歩いているのだと納得させています。

 一応釘を刺しておきますが、私の住んでいる所と其の周辺部では、震災から一年半が経って何も解決していません。仮設住宅はそのまま、瓦礫も殆どが積み上げられたまま、かといって雇用のための補助金は打ち切り、と散々な状況です。
 其の原因は私達日本国民が「声がデカくて人の悪口が得意なだけの、政治的にも社会人的にも無能な人間」を選択してしまった事に尽きるでしょう。神戸や新潟と比べても格段に復興のスピードが遅いでしょう。

 ただし“どうして国民がそんな選択肢を選んでしまったのか?”と言えば、“愚かなマニフェストを何の検証も無しに絶賛し続け、反面漢字の読み間違いでやホッケの煮付けで執拗にネガティブキャンペーンをし続けたマスコミ”の存在が大きいでしょう。
 簡単に言えば、誤った情報を元に誤った選択肢、と。其れ以上でも以下でもありません。

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