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新聞・テレビの凋落 〜情報ロンダリングが仕事の人達〜

 昔何処かで誰かから聞いた話です。親戚の叔父だったか、寄り合いの雑談だったか、病院の待合室だったか、まぁ話半分に聞いて下さい。

「俺は新聞を数社取っている。全部を見比べて比較すれば、自ずと正しい情報が手に入るだろう」

 と言ったものです。よくまぁ無駄な時間を割いているな、と今ならば思うのでしょうが、当時の私は感銘を受けました。


 2012年10月、兵庫県尼崎市で角田美代子・並びに李正則被告が多くの日本人を監禁し、暴行を加え、死に至らしめていた惨たらしい事件が発覚しました。
 角田祖国が在日韓国・朝鮮人という疑惑も持たれていますが、確定し次第お伝えします。
(というか李被告と養子縁組している時点で、典型的な不法滞在のやり方なのですが)


“尼崎・死体続々発覚” 角田美代子のマインドコントロールで、複数の家庭崩壊…
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121016-00000796-yom-soci
 兵庫県尼崎市のドラム缶遺体事件で、主犯格とされる無職角田美代子被告(64)が暴力的言動と甘言を巧みに使い、周辺人物を精神的に支配していく実態が明らかになっている。
 被告の周辺では次々と行方不明者が浮上。民家では3人の遺体が見つかり、これらの関係者には角田被告に服従する人物もいるとされる。県警は「マインドコントロール」の影響の有無を慎重に調べる。
(引用終了)


 大体10月半ばぐらいの出来事です。マスコミ各社は角田被告の顔写真を出し(李被告は可能な限り名字を伏せるか、角田と日本人であるかのように偽って)報道していました。
 まぁこうやって嘘を吐けば吐く程、彼らの信用性は堕ちていくのですが……さておくとしましょう。
 問題は“角田被告の写真が全く関係のない方のものであった”事です。


共同通信などが報じた「角田美代子被告」の写真、別人のもよう…兵庫連続変死事件http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012103001002343.html
 兵庫県尼崎市の連続変死事件で、共同通信などが「角田美代子被告」として報じた写真について、尼崎市に住む女性(54)が30日、弁護士を通じて「写真は私だ」と名乗り出た
 弁護士によると、女性は23日に全国紙に掲載された写真を見て「似ている」と思い、翌24日にテレビで流れた同じ写真で「私に間違いない」と確信。悩んだ末に29日に弁護士に相談したという。
 共同通信が報じた写真は美代子被告の長男の小学校入学式の集合写真から抜き出したもの。1993年4月に撮影され、和服姿だった。名乗り出た女性は、直前に撮影された子どもの幼稚園の卒園式の写真を持っており、同じ着物姿で写っていた。
(引用終了)


 さて、何故このような問題が起きてしまったのでしょうか?今日は其れについて取り上げたいと思います。


 新聞を見ていて時折このような括弧書きを目にした事があると思います、

(配信・共同通信社)

 此は“其の記事が共同通信社から配信されたものである”事を示しています。要は他の会社の記事を掲載、もしくは基にして記事を書いているのです。

 共同通信社とは“新聞社へ記事を売る会社”です。加盟している新聞社・放送局へ、自社が取材したニュースや社説を配信する、という業務をしています。
 国内・海外に支社を置き、其処に滞在する記者が様々なニュースを取材し、記事にした上で各報道社(全国・地方、また新聞・テレビの殆ど)へ配信しています。勿論大手も例外ではありません。

 つまり“私達が見ている報道は、其の一社が独自に取材したのではなく、他社のニュースソースを使い回している”場合があると。
 従って“配信する側の間違いがあった場合、配信された側も間違いがそのまま掲載される”んですね。
 実際に間違ったケースを挙げましょう。


「どうしよう、どうしよう」 "母親が5分買い物する間に2歳女児消える"で、母親を逮捕へ…大分(2012/02/05)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00216683.html

2012年2月5日、大分県で発生した死体遺棄事件の報道で、被疑者(母)と被害者(娘)の写真として別の母娘の写真を配信し、全国で30を越える新聞の6日付朝刊に誤った写真が掲載された。写真の確認不足が原因としてお詫びのコメントを出した。
(共同通信のwikiより引用)


 此を仕方がないと思うのか、許せないと思うのかは各自の判断だと存じます。

『全国紙ならば兎も角、地方紙の記者が一地方へ記者を派遣し、細かな取材は出来ない』
『其の確認を怠ったがために、関係ない人間の人権が大きく侵害されてしまった』

 どちらの意見も尤もであるとは思います。特に大手ならば兎も角、地方紙に取っては自分達以外の所の記事を調べられる訳もなく、共同通信のようなシステムは必須でしょう。
 ですが――貴方は疑問に思わなかったでしょうか?

『共同通信社“以外”にも報道社・記者が居るのだから、彼らと記事が違えば誤りに気づいただろう』

 そう思った方は多いかと存じます。大分の件だけでなく、尼崎の角田・李被告の件もです。
(特に後者は写真掲載から訂正まで約半月かかっています)
 もしも大手新聞社がきちんと裏取りしていれば防げたでしょう。


毎日新聞「共同通信加盟」に動く これでリストラ進むのか(2009/1120)
http://www.j-cast.com/2009/11/20054461.html
 経営不振がささやかれる毎日新聞が、共同通信社から国内ニュースの配信を受ける方針を固めた様子だ。「発表もの」は共同記事を使い、自社の記者を独自取材に振り向けられるという利点が期待できる一方、リストラ策の一環だとの見方もある。だが、「配信を受けたところでリストラは進まない」との指摘も出ている。
(以下略)


 つまり……こう言う事ですね。地方紙以外も新聞社・テレビ局自体の取材能力自体が劣化且つ他人任せになってきているのです。
 従って尼崎の件も(色々と弁解をしていますが)事実は“何処か一社が引っ張ってきた胡散臭い情報を仲間内で共有し、誰一人として確認する事無く鵜呑みにした”結果だと推測しています。実際に共同通信社以外にもフリーのジャーナリストを称する方が、記事を売る行為はあると聞きますし。


 加えて日本には記者クラブ制度があります。各省庁内に記者が部屋を与えられて常在し、其の代わりに政府発表を鵜呑みにする、と。
 経済評論家の三橋貴明さんは以下のように指摘されています。


続 コピー&ペーストが仕事です(キリッ!)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10622859876.html#main
(前略)
 この国家のバランスシートの右上の「政府の負債」の中の「中央政府の負債」について、「国の借金」として財務省が10日に資料を配布しました(財務省の記者クラブである「財政研究会」で)。それを受けて各紙が書いた記事は、以下の通り。

『読売新聞 「「国の借金」初めて900兆円突破…6月末」
 財務省は10日、6月末時点の国債と借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」(債務残高)が904兆772億円と、初めて900兆円を突破したと発表した。
3月末と比べて21兆円増え、過去最悪を更新した。全体の7割近くを占める普通国債の残高が11兆円増加し、605兆7520億円に達したことが主因だ。国民1人当たり約710万円の借金を背負った計算となる。(後略)』

『朝日新聞 「国の借金900兆円突破 国民1人あたり約710万円
  財務省が発表した今年6月末時点の国債や政府短期証券などの「国の借金」は、904兆772億円で、初めて900兆円を突破した。3月末から21兆 1538億円増え、過去最大を更新した。不況による税収不足を補うため、国債の残高が増加したのが主な要因だ。国民1人あたりの借金は単純計算で約710 万円となる。」(後略)』

『毎日新聞 「国の債務残高:904兆円に 国債の大量発行で大台突破」
 財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高(借金)が6月末時点で904兆772億円となり、900兆円の大台を突破したと発表した。(中略)
7月1日時点の人口推計(約1億2742万人)で割ると、1人当たりの借金は約710万円。政府は6月に財政再建計画を策定したが、健全化への道は一段と険しくなっている。』

『産経新聞 「国の借金900兆円突破、国民一人当たり700万円の大台超え」
 財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券をあわせた国の債務残高(借金)が6月末時点で904兆772億円となり、大台を突破したと発表した。国民1人あたりの借金も過去最悪の約711万円となり、700万円の大台を超えた。(後略)』 

『日経新聞 「「国の借金」最大の904兆円 1人当たり710万円に」 』

『共同通信 「国の借金904兆円 国債発行で大台突破」
  財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高(借金)が6月末時点で904兆772億円となり、900兆円の大台を突破したと発表 した。バブル崩壊前後から相次いで実施した経済対策のため国債の大量発行を続けたことに、景気低迷による税収減が加わって借金が膨らんだ。
  国の借金が900兆円を超えるのは初めてで、2009年度の名目国内総生産(GDP)476兆円の約1・9倍に当たる。7月1日時点の人口推計(約1億 2742万人)で割ると、1人当たりの借金は約710万円。政府は6月に財政再建計画を策定したが、健全化への道は一段と険しくなっている。(後略)』

『時事通信 「国の借金、900兆円突破=過去最高を更新−6月末」
  財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券の合計残高(国の借金)が6月末時点で904兆772億円と、前回公表の3月末に比べ21兆1538億円増加 し、過去最高を更新したと発表した。7月1日時点の人口推計(1億2742万人)で割ると、国民1人当たり約710万円の借金を負う計算になる。(後 略)』

 官僚からの資料をコピー&ペーストしていたら、仕事をしたことになるわけですから、本当に楽な商売ですね、新聞記者とやらは。
(引用終了)


 恐ろしいまでに画一的で没個性的ですね。しかも“一人当たり○○借金”は誤りですし。

 此所で冒頭の話へ戻ります。幾ら別の新聞を読もうが、テレビのニュースをハシゴしようが、はっきり言って“時間とお金の無駄”以外の何物でもありません。個別の取材は情報ロンダリング、官庁発表はコピー&ペーストで自社のフィルター無しに漏らすだけ
 実際にどの新聞を読んでみても、どのニュースを見ても、書いてある事、言っている事に大差ありません。そりゃ同じ記事を配信され、同じ官庁発表を大した考証も無しに載せているのですから、代わり映えがしなくて当然です。

 少し前にiPS細胞の実用化に成功した、という虚偽の発表がありました。あれも実はマスコミが詐欺の片棒を担いでいます
 第一に発表した人物の“情報が正しいかどうか判断出来れば、嘘として取り上げなかった”筈です。流石に生物分野の最先端技術の真贋を見極めるのは困難でしようから、其の筋の専門家へ訊ねれば良かったのです。
 次に“彼が実験に使った病院へ連絡すれば良かった”んですが、日本のマスコミはそんな基本的な裏取りすら怠り、結果あんな醜態を演じてしまいました。
(某掲示板に書かれていた事ですが、「もしも私が○○新聞に電話をし、『私は総理だが、明日解散する』と言ったら、そのまま取り上げたのと一緒」ですね)

 記事は人任せ、経済政策は官僚からの丸呑み、出来る事と言えば“風刺と暴言を履き違え、反撃しない相手へ口汚く罵って悦に浸る”事ぐらいでしょうか。自分達は高い椅子に座って他の職種を見下しなから、何もしない・出来ない人間が、只々批判“だけ”を延々載せていくと。

 貴方が読んでいる新聞、読む価値がありますか?

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