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新聞・テレビの凋落 〜専門家の居ない専門家集団〜

 此所数年、というより10〜15年ぐらい前から言われ続けている事があります。

『テレビがつまらなくなった』

 其の答えとして娯楽の多様化を挙げる方も居ます。曰く、様々な趣味を持つ人が増え、余暇を其方へ割いているためだ、と。
 まぁ確かにそんな一面もあるとは存じます。ですが其れは物事の一面であって全てではありません。

 そうですね……新聞なり地デジでテレビ番組表を見て下さい。

  1. 内輪の話で盛り上がる
  2. 素人芸(歌ったり料理を作ったり)を見せる
  3. スポンサーと提携して飲み食いしている
  4. 芸人を雛壇へ上げ、司会者に弄って笑われる
  5. インターネットの動画を流して、スタジオの芸人が大げさに驚く
  6. たまにヒットするドラマは原作が漫画か小説
  7. 昔の企画の焼き直し
  8. 韓流(特にBSが多い)ドラマ

 大体此のどれかが多いようですね。そりゃ全局全時間、こんな判で押したような似通ったコンテンツばかり垂れ流していたら、視聴者が離れるのも当然でしょう。
 対照的に時代劇や数クールに渡るドラマなど、大規模な撮影機材・時間をかける番組は殆どが姿を消してしまっています。視聴率に貢献しそうなお年を召された方には大人気でしょうに。
(実際に夕方の水戸黄門の再放送が、かなり高い視聴率を取っているというのに)

 では“何故そうなってしまったのか?”について考えてみましょう。


 まずNHKを除く全ての新聞社・放送局は“民間の私企業”です。従って“彼らはスポンサーから広告料を貰い、商品やサービスを宣伝する事で生計を立てている”のが前提です。
 勿論“所詮は私企業なので、読売ジャイアンツが協定違反の裏金を行使していたり、原監督が反社会性集団(暴力団)へ現金を支払っていても、彼らのマネジメントに不都合であれば報道されない”事もある意味必然です。
(相撲協会とは裏腹に、です。そう言った意味で朝日新聞は鳩山元総理の故人献金といい、ある程度評価に値すると思います)


 では広告費の推移を見てみましょうか。手元に古いデータしかないのですが、指針とするのは充分でしょう。

平成20年度の一般放送事業者及び有線テレビジョン放送事業者の収支状況(総務省)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02ryutsu09_000040.html
広告収入(単位:億円)

11年
12年
19年
20年
テレビ
19121
20793
19981
19092
ラジオ
2043
2071
1671
1549
新聞
11535
12474
9462
8276
雑誌
4183
4369
4585
4078
ネット
241
590
6003
6983


 テレビは最盛期である平成12年よりも約9%減、新聞に至っては29%という大幅な落ち込みを表しています。実際には震災や地デジへの移行(に伴う設備投資費)があったため、自由に遣える資金は更に少なくなったでしょう。

 とは言うものの、減っているとは言え元々が莫大な額です。最盛期でテレビだけでも2兆円越え、トータルで4兆円弱という下手な国家のGDPを超えています。
 まぁ其れだけあれば制作費も潤沢でしょうが――しかし、彼ら放送業界は別の部門へ資金を遣ってしまっています。


情報・通信関連企業の上場会社の年収ランキング
http://www.webtelevi.com/tyuumoku.htm
1位、朝日放送                1587万円 全業種でもトップ つまり日本一
2位、フジテレビジョン          1575万円 全業種でも2位 つまり日本2
3位、TBS                         1560万円 全業種でも3位 つまり日本3
4位、日本テレビ放送網       1432万円 全業種でも7位 つまり日本7
5位、テレビ朝日                1365万円 全業種でも9位 つまり日本9
6位、テレビ東京      1219万円 全業種でも19位 つまり日本19
7位、角川グループホールディングス 1117万円
8位、野村総合研究所    1080万円
9位、JSAT        930万円
(以上引用終了)


 ちなみにトヨタの40歳ぐらいの正社員が年収800万前後です。日本屈指の企業と比べてすら、倍近い開きがある……此は一体どういう事でしょうか?
 まぁ私は中の人ではないため、推測の域を出るものではありません。ありませんが強いて言わせて頂ければ、

『テレビ局の中の人間は自己保身しか考えていない』

でしょうか。
 本来であれば広告料(というか会社の収入)が切り詰められていく中、社員もある程度リストラなり事業・給与の縮小を受け入れられねばいけません。そうでなければ会社自体の存続が難しくなるのですから。
(異様に高い労組率とも因果関係があるかも知れませんが)
 ですがテレビ業界はリストラや給与の削減ではない第三の道を選びました。

 其れは――“安価なコンテンツの導入”です。
 時代劇のような機材も人も多く使うような番組作りを止め、スタジオへ芸能人を集め、一気に収録してしまうような形の方が“安い”からです。

 また異常なまでに韓流――と言う名の韓国ドラマが増えている理由もまた、偏に“安い”事が理由に挙げられるでしょう。

 韓国は国策として“韓国コンテンツの輸出”をしています。国家ブランド委員会・韓国コンテンツ振興院と言われる“国営の機関”が韓流を輸出したり、韓国のステルスマーケットをしています。


オ・ユンデ"来年G20,韓国知らせる絶対契機"(2009/0927)
http://www.hankyung.com/news/app/newsview.php?aid=2009092722008&menu=&sid=0001&nid=900&type=1
 国家ブランド委員会は来年11月G20(主要20ヶ国)首脳会議の韓国開催を契機に国の品格が一層高まって国家ブランド価値が向上されると見て国家ブランド地位を高めるためのより体系的で組織的な後続措置に着手する方針だとあきらかにした。
(中略)
 オ委員長は"韓国の実状と世論を世界の人々に英語,中国語など主要外国語で正確に伝達する大々的で組織的なキャンペーンを行うつもり"としながら"外国語を通じて,韓国の情報を知らせる言論とも協力してみて体系的な国家広報になるべく推進するのも絶対的に必要だ"と話した。
(以下略)


 そして南米での活動ではお粗末な展開を見せています。


中南米進出に頭抱える韓流ドラマ 「字幕は不便、吹き替えにして」(2012-0603)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120603-00000103-chosun-kr
「『私の名前はキム・サムスン』『宮廷女官チャングムの誓い』…あ、どんなドラマかは知っているけど、ちゃんと見たことはない。字幕入りのドラマは見にくいから。実は中南米の人たちはスペイン語の字幕を入れてもあまり見ない。吹き替えでなければ見ないでしょ」
(中略)
 つまり、制作費削減のため字幕だけを入れた番組は現地ではあまり買い付けられず、吹き替えにして売っても元が取れないということだ。
 このため、南米で、スペイン語・ポルトガル語の吹き替えで放送された韓国ドラマはまだ1本もない。
 ある制作会社の代表は「政府に支援を要請したが、予算に余裕がないようだ」と話す。
 韓国コンテンツ振興院は「これまでは英語・日本語などを中心に吹き替え費用を支援してきたが、今後はスペイン語・ポルトガル語などのコンテンツにも支援費を別に策定するよう検討している」と語った。
(引用終了)


 韓国政府の資金的な後押し、加えて吹き替え費用すらも負担していれば、そりゃ日本の放送各局は“韓流ブームにしたい”んでしょうね。
 自分達が番組を作らずに、また下請けへ流さずに安く番組を作れた上、ブームだ旋風だとの実績皆無の流行を捏造して置けば、日本国民が有り難がって飛びつく――程度に考えているのでしょうし。


 ドラマにしろ脚本にしろ、良くも悪くも『量が質を上げ支える』事があります。似たようなコンテンツが量産されれば、良い物は残り、悪い物は消えていきます。同業他社との区別化に失敗した、とも言えます。
 悪貨は良貨を、という例えもありますが、あれは悪意を前提にした不法行為を取締切れないために発生した案件です。
 テレビコンテンツも同様です。多くを下請けや孫請け任せにし、挙げ句は海外ドラマを買い込んで手を加えずに流すだけ。またたまにヒットするドラマも原作はマンカが小説。こんな状況下、言わば切磋琢磨するライバルが居ない状態で、コンテンツの“質”が上がるわけもありません
(競争のない世界のある種最終形態かも知れません)

 まぁ其れ此も、“放送法という他者が入り込めないシステムの上に、彼らが胡座をかいた結果、肥え太るだけで動けなくなってしまった”のですが。自業自得以外の何物でもありませんが。


 昨日も書きましたが、新聞社とテレビ局の凋落の最大の理由は“専門家の居ない専門家集団”へ成り下がってしまったのだと思います。取材をして裏取りの出来る記者が居ないがために、容疑者の顔写真一枚で取り違え、ドラマやバラエティを作れなくなったため、外部の人間に頼らなくてはいけない、と。

 あまり、と言うか私が極めて強く嫌悪している職種の一つに、ワイドショーのコメンテーターがあります。あれを職業呼ぶのか微妙な所ですが。

 まぁテレビに出て何を言うのも勝手なんですが、でも“彼らの言っている事の多く、自称庶民目線で語っている内容は別に彼らの口から言わせる必要はない”ですよね?
 例えば「世襲がどうこう」という話へ対し、“只反射的に駄目だと言うのであれば、彼らでなくとも適当な街頭インタビューでもすればいい”だけの話で、わざわざスタジオへ呼んで講釈を頂くまでもない、と思います。
 もしもコメンテーターがいっぱしの評論家を気取るのであれば、街へ出て二・三人に聞けば返ってくるような答えを出すのではなく、もっと専門的な視線から語られるべきでしょう。

 何と言いましょうか、こう、全てが全て素人なんですよね。ニュース関係は言うまでもなく、ドラマやバラエティも安易すぎます。一つのジャンルが流行ったから追随――ではなく、まずはコストありき、如何に安く番組を上げるのかに躍起になっている印象を受けます。
 そして当然のようにそうして開発を絞っていけば、本来育成される筈のスタッフは育たず、未熟なままで管理職へ付き、偉くなった所で面白番組が作れず、外注へ丸投げし……という負の連鎖が続いています。


 私は過去何度もHPでマスコミの偏向報道を取り上げてきました。具体的には自民党と日本人へ対する差別的な報道です。其れが作為的なものではないか、と何度か推測を口にしました。
 しかし最近思うのですが、“マスコミ自体に悪意はなく、只自民党(というか過去政府に居た存在を)を攻撃するしか知らないのではないか?”という疑問も抱くようになってきました。
 例えば挨拶に「こんにちは」しか教わっていない子供が居たとしましょう。彼は何時でも、何処でも「こんにちは」としか挨拶をしません。だからといって彼は悪意や作為があるわけではなく、“其れしか知らないのだから、其れをするしかない”と。

 まぁ実際の話、“大の大人の集団が善悪や差別かどうかを判断出来ない、なんて事はないでしょう”が……無いですよね?まさかとは思いますが。
 では最後に某匿名掲示板の書き込みをご覧下さい。


315 : 日出づる処の名無し[sage] :投稿日:2012/11/15 07:39:19 ID:hDA/oS8l [2/3回]
>>309
今までさんざん(名目上)反権力、反自民で纏まって飯を食ってきたから、アイデンティティ化してんだよ。
だから自民政権以外が実績残してくれないと存在の否定になるわけよw
自民以外政権での成功体験が自民はやはり糞だった! マスゴミ正義!の証明という事。

嘘を叫び続けたオオカミ少年が嘘の既成事実化に必死棚状態。
TVに名前と顔を晒している連中も実績がさっくりと手のひらを返させてくれないでしょうからなぁw

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