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お正月様をお迎えする 〜たまにはフォークロア〜

 私達は今、“お正月”と言う期間にいます(生憎アップロードする頃には過ぎていますが)。
 お餅を食べたり、年賀状を送ったり、初参りへ行ったりと色々な行事が執り行われています。

 其の多く、もしくは全ては日本人の信仰を基に築き上げられてきた“文化”です。
(※古代中国から流入したものもあります。ただし数百年から場合によっては1000年以上続けられており、オリジナルが途絶えてしまったものも少なくありません)


 お正月とは“歳徳神”を迎えるためにあります。あぁ呼び名は色々ありますし、地方によってはもっと怖いものであったりしますが、基本的には“福をもたらす神様”ぐらいの認識で構わないでしょう。
 歳徳神をお迎えし、丁寧にもてなせば其の年はずっと幸福が訪れる、と言う信仰ですね。

 例えばお餅やお雑煮、お節を食べるのは歳徳神に捧げた後、私達もおこぼれに預かる、と言う主旨です。私達がメインではありませんのでご注意を。(少なくとも建前は)
 また最近では姿を消してしまいましたが、門付け(かどづけ)と言う風習がありました。

 お正月のテレビで傘を回りしたり、「おめでとうございます!」と言って獅子舞をしたりする芸人の方を見た事はあるでしょうか?其れらは元々家々の門前で歳徳神をもてなすために行われていた事です。
(そしてまた“芸人”と言う言葉も、今のように笑われて下らない話を延々とする人間を指すのではなく、元々は“神に捧げる芸を持つ人”と言う方達だけを表していました)
 日本国国家の“君が代”も、元々は門付け芸として謳われて、其の年、其の家がずっと続きますように、との意味であったものです。
 決して天皇陛下“だけ”を賛辞する意味は持っていません。少なくとも市井の人々の門前で謳われる分には、ですが。


 とは言え時代が変わり信仰も姿を変えていきます。今ではお正月の意味は変えられ、“家族でゆっくり過ごすお休み”ぐらいにしか考えて居ない方も多いでしょう。
 でも其れは其れで構わないと思います。結局歳徳神も(もし存在するのであれば)年末年始に忙しく、またのんびりと出来ないような家には好まれないでしょうから。
(かといってもし貴方のご両親がご多忙であったとしても、其れは貴方のために働いてらっしゃるのであり、決して恨んではいけません。ですから貴方お一人でも歳徳神をお迎えしてあげてください)

 ……まぁそうすると初詣は一体どうなるのか、と言う話になりますが――産土神はまた別になりますので次回に話されて頂きたく存じます。“家”と“土地”は担当されている神が違うと言う事で。

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