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原発避難者の間の出来事 〜自活と自立、自助と共助〜

 先月二日頃に“お正月様”に少し触れました。其の記事で、「正月になると家々を回って祝福する芸能集団がいる」と書きました。


 また最近では姿を消してしまいましたが、門付け(かどづけ)と言う風習がありました。

 お正月のテレビで傘を回りしたり、「おめでとうございます!」と言って獅子舞をしたりする芸人の方を見た事はあるでしょうか?其れらは元々家々の門前で歳徳神をもてなすために行われていた事です。
(そしてまた“芸人”と言う言葉も、今のように笑われて下らない話を延々とする人間を指すのではなく、元々は“神に捧げる芸を持つ人”と言う方達だけを表していました)


 実は此の風習は未だ続いています。まぁ流石に玄関で芸を見せるわけではなく、檀家(契約している家々)へお邪魔し、神棚へ祝詞を挙げていきます。
 ちなみに其の方達は出羽三山で宿坊を営まれている修験者(兼・宿坊経営)の方であり、ルーツを辿れば数百年単位で遡れます。
(冬は宿坊を営業出来ないため、修行を兼ねて東北南部まで降りてこられたそうで)

 其の方が実家にいらした際、伺った話をしたいと思います。


 仕事柄、東北南部や関東北部を回っているとの事ですが、原発避難者(被災者ではなく、原発から避難した人達)の話を聞きました。
 そうやって暮らしている家庭では夫婦別居が多いそうです。旦那様は被災地に残って仕事をし、奥様とお子様方は被災地から離れた、または県外で暮らしていると。
 しかし旦那様がたまに避難先へ戻り、家族と対面すれば愚痴の一つも言いたくなるそうです。まぁごみが落ちていたり、疲れているのもあるのでしょうが、普通の話です。
(酒を飲んでグダを巻く、程度の話なんだと思います)

 が、しかしそうなると奥様が「じゃあ別れよう!」と切り返す(実際に離婚する)話をよく聞くそうです。
 何故かと言えば“カネ”だそうで。

 原発避難者(特に双葉郡)の方は一人当たり月10万円貰えるそうです。
(働いたら受けられない、と言う話も聞きますが未確認です)
 だもんで奥様+子供二人=月30万……言葉が出てきません。


 女性の自立が進んだのは、女性であっても経済力が持てる社会になったからだ、と言う話を聞きます。特に20世紀初頭まで、多くの国で女性は財産と見なされ、公民権が得られるのは男性よりもずっと後です。
 今回の件(避難離婚でも呼ぶのでしょうか?)では、“保証金を当てにした離婚が増えている”と言う認識で構わないのでしょうが、其れにしたって何か間違っているような気がします。
(勿論当人同士の意見の尊重が最優先であるべきでしょうが)

 離婚も結構ですけど、其の後どうやって生活したり、また父親無しに生きる子供の気持ちも考えて欲しいものですが……どうしたものでしょうね、本当に。
 現在月30万円の所得があったとしても、其れがいつまで続くかは分かりません。確かに同情すべき点も、補償もされるべきでしょうが、

『一体何時まで、何処までしなければいけないのか?』

と言う話をする時期に来ていると思います。
 あの震災から後一ヶ月程で2年が経とうしています。そろそろ立ち上がるべきではないでしょうか。


文責;弾犀@奇蹄類


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