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本当に存在していたTPPお化け

 〜民主党政権下では明らかにならなかったこと〜

 春は嫌いではないんですが、白鳥がシベリアへ帰ってしまってテンションが落ちます。市内ではあちこちに桜や梅、桃の花が咲き始めて非常に心浮かれる――と、までは行きませんが、奇麗ですね。
 好きは好きですし、夜桜の風情などは筆舌に尽しにくい程鮮やかであり、同時に物悲しくもあり、心が感動で震えます。


 さて、私はTPPに反対しています。従って自民党安倍内閣のTPP“参加”へ対しては明確な反対をしたいと思います。
 ただし、現時点並びに2012年の衆議院選挙で自民党の公約にあった、

「全ての関税の無条件撤廃には反対。国益に叶うのであれば参加もする」

とは合致しているため、其れを理由に非難しようとは思いません。
 只不安な点が幾つかあり、先日の訪米でオバマ大統領との会談で明言されていましたが、其れとは別に“TPP参加に合意するのは議会の賛成、また各国の合意が必要”なんですね。
 あくまでもオバマ大統領が個人的に表明した、と言うか勝手に言ったようなものなんですね。一応其れでもアメリカの大統領なので相当な重みはあるのですが。
 だからまぁ個人的には「参加したかったんだけど、聖域無き完全撤廃にならなかったし、初めの約束と違うから抜けるから」と収めるのではないか、と推測しています。


 以上が現状ですが――さて、貴方は“TPPおばけ”を覚えていますか?


TPP反対論の中には事実と反した持論がある。それは「TPPおばけ」だ(2011-10-14)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111015k0000m010037000c.html
 「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の慎重論、反対論の中には、事実に基づいた不安感と同時に、事実に基づかない議論もある。これを私は『TPPおばけ』と言っている
 民主党の前原誠司政調会長は14日、東京都内での講演で、党内に根強いTPP慎重論に誤解が多いと指摘した。念頭には、労働、医療などの農業以外の分野への悪影響を懸念する声が広まっていることがあり、前原氏は「日本の医療体制が(国民皆保険から)米国と同じものに変わるという見方は全くの事実誤認だ」と強調した。
 また、他国との経済連携全般について「前に進まないことは許されない」と述べ、「今の農業を放置して地域の主要な産業、雇用の受け皿、成長分野になるのは厳しい」と農業改革の必要性を訴えた。
(引用終了)


 民主党の前原政調会長曰く、「TPP慎重論者はおばけに怖がっているのと同じ」との話です。実体の無い存在に怯えているだけで、其れは無意味だと。
 発言の主旨には賛同しませんが、内容自体は賛同します。訳の分からない、無理解で不寛容を貫くよりも、きちんと勉強し、実際のデータに基づいた結果を尊重する――と、反原発派の方に言いたいです。


民主党政権時代のTPP事前交渉内容を暴露。衆院予算委で前原誠司

衆院予算委員会で、民主党前原議員が民主党政権時代の事前交渉内容を暴露した。安倍総理からは「守秘義務」があるとたしなめられた。
しかし国益の問題が重要と突っぱねた。その暴露の内容。
(下記衆院TV、3時間15分30秒から)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42476&media_type=fp

――前原議員
「我々が最後まで交渉参加表明をできなかったのはなぜかというと、我々与党だったからよくわかっていた。米国の要求、事前協議の中身が余りにも不公平ということだった。
トラック、車については関税を直ぐにはゼロにしない猶予期間を設けるべきだというだった。安全基準については米韓FTAと同じように枠を設けるべきだということだった。
保険については、始めはがん保険等の保険だけだと思ったら学資保険の中身を変えることについても色々と言い出した。つまり、中身について事前交渉でこれをとにかく武装解除しなければ米国議会に通告しないと。
しかしこういう中身について我々は不公平であると、本来であれば、自動車の関税の猶予なんてことは本交渉でやる話であって、我々は農産物と相対して妥協しなかった。
これ、妥協してまさか交渉参加表明するなんてことはないですよね。
我々は交渉参加表明したいと模索したが、この条件ではあまりにも日本に不公平だということで我々は非対称的だということで交渉参加表明をしなかった。

――安倍総理
「前原さんも民主党も政府として交渉に当たってきた。
米国との交渉においては、中身においては皆さんに守秘義務が課されているはずです。
交渉中のことをいちいち外に出せば交渉にならない。
今回の共同声明において、米国側に自動車についてセンシティビティがあると認め、日本の農業ついても認めさせた。」
(引用終了)


 前原議員の発言を抜粋・編集します。


トラック、車については関税を直ぐにはゼロにしない猶予期間を設ける
安全基準については米韓FTAと同じく枠を設ける
がん保険・学資保険の中身を変える


 つまり“民主党政権下では以上のような不平等条項が盛り込まれていたかにも関わらず、国民へ情報公開せずTPP締結を目指していた”と。
 しかも“前原議員がTPPオバケだなんだと、反対派の不安を杞憂だと嘲っていた裏で、実際に日本が一方的に不利な条件で進められていた”んですね。

 最低ですね。最悪と言った方が良いのかも知れません。
 自分達の政権下では日本に不利な条項を必死になって隠し、反対する相手には「TPPオバケ」と揶揄していたが、政権から下野すると交渉内容を暴露する、と。
(しかもこう言った国際条約には例外なく守秘義務が課せられているにも関わらず、です)
 社会人以前に学生として出直してきた方が良いかと存じますが。

 そして流石の民主党クオリティ。勿論誉めているわけではありませんが。


首相は交渉カードを早く切りすぎた 玄葉前外相が懸念(福島民友新聞 3月16日(土)16時11分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130316-00010012-minyu-l07
 安倍晋三首相の環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加表明を受け、玄葉光一郎前外相(衆院福島3区)は15日、福島民友新聞社の取材に対し、民主党政権が対米交渉で「コメの除外、畜産の例外」を目標にしていたことを明らかにし、実現に向けた「攻めの切り札」としていた自動車関係の交渉カードを安倍政権が早く切りすぎているとの懸念を示した。
(中略)
 また、民主党政権では、関税撤廃の例外を目指してきた畜産など関税が従来より下がることで生産活動に影響が出る農林水産物については「生産者への直接支払い制度を準備していた」とも明かし、同様の国内対策が必要不可欠と指摘した。
(引用終了)


 成程、“安倍政権の成果は自分達のお陰”ですか。野党議員は楽な商売ですね。
 貴方は、彼らを信用出来ますか?



文責;弾犀@奇蹄類


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