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タブロイド思考 〜無知で幼稚な思考の最果て〜

 最近、と言うかどこかの政党の影響でしょうが、『既得権益』と言う言葉を良く耳にします。
 まぁよくよく話を聞いてみれば『自分達の関わりの無い団体を悪党呼ばわりし、悪というレッテルを貼って支持を得る』と言う非常に下種のする事です。

 また考えに同調する――騙される側、つまり私達も『タブロイド思考』に侵されている証左かも知れません。
 今日は実例を交えながら其の話をしましょう。


 まず『タブロイド』の意味からですが、これは『タブロイド紙』から来ています。
 元々は折りたたんでスーツのポケットへ入るサイズの新聞。しかし其の分記事の内容が簡潔(単純)で文字数も少ない――まぁ全体的に小さいのですから、仕方がないのでしょうが。
 そもそもあまり良い意味は無く、『裏取りのなく、信頼性にも欠ける』ゴシップ紙と言うイメージです。日本で例えるならばスポーツ新聞でしょうか。

 タブロイド思考はその延長線上にあります。

 タブロイド紙が『文字数が限られる故に、背景や関連性も書けずに直情的な書き方』をさせられるのに対し、タブロイド思考は『辻褄を合わせるために、背景や関連性も飛ばして結びつける』と。

 例えば食料品の値段が上がったとしましょう。
 此を『上がったと聞いただけで、政府や企業の陰謀だと断定する』のがタブロイド思考です。事情や背景を考えずに結びつけ、断定すると。
 誰が何と考えるのも勝手なのですが、『根拠の無い決めつけは妄想』です。
(実際には為替の変動、先物取引の高騰、農作物の不作等々、様々な原因の元に発生するのですが)

 『どうして食料品が値上がりしたのか?』と疑問に『答えずにはいられない』のが、この思考の根本でしょうか。
 人は『分からないものを分からないままにしておきたく無い』と言う心の働きがあり、どんな答えにでも自身で某かの答えを見つけてしまう、と。

 其れ自体は悪くはないでしょう。仮の答えを取り敢えず保留にしたままで、新しい回答を探す……のか、一般的な思考でしょうしね。
 また個人が何を信じるのかは自由ですから、荒唐無稽な自説を事実だと思いこむのもまた、自由ではあるとは思います。


 ですが――『タブロイド思考を前提にするのは危険』です。其れも非常に。

 例を上げれば八ン場ダムでしょうか。あれも誰かがこう言いました。

「水は足りている!治水目的でするのはおかしい!これは既得権益だ!」

とか何とか。
 でも私達の住んでいる現実という世界では、利根川水系が氾濫して被害を出した事が何度もあり、また水不足になる事もあったと。
(数日前のニュースで、首都圏の水制限をすると猪瀬知事が発表していました)
 其れが、現実。


 同様に今まで『既得権益は悪だ!』と誰かが言うのでしょう。タブロイド思考のまま、事実関係やデータのある裏付けをせずに。事業仕分けをすれば90兆円出て来るのと同じ発想です。
 断言しますが、其れは只のタブロイド思考です。データも示さず、根拠も現さず、自身が「こうである筈だ」と言う直情的な思考から導かれた謝った思考です。

 既得権の定義が曖昧、また何を差しているのかが不明瞭、打ち切れば関係した団体や企業が路頭に迷うだけ……と。
 後、そう言った人間がよく使うロジックとして、『フレッシュ』だとか『柵がない』と言うフレーズがあります。
 其れは、『下積みがない』とか『世間を知らない』、『きちんとした実籍がない』と言う意味と同義なんですがね。


 まぁ誰が何を考えようと勝手は勝手なのですが、少なくとも私は『個人の妄想や願望でどうこうして欲しくはない』と考えています。

 貴方はどうでしょうか?訳の分からない新語やら既得権益などの言葉を使って、『理解したつもりになって、その本質を分かろうとしない』事はありませんか?
 そう言った誤った認識の元に、思考を積み重ねようとしても、結局は砂上に楼閣を造るようなものです。
 根本からあやふやなものであれば、確実に破綻する運命は避けられないでしょうから。



文責;弾犀@奇蹄類


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