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混迷するシリア 〜世界規模の民主“党”化〜

 日本のマスコミ、そしてジャーナリストにジャーナリズムは存在しません。まぁ原因は色々あるのでしょうが、只一言『無能』が原因だと思っています。
 先日も書きましたが、シリア政府がサリンを使用して住民を虐殺しているのは、今年の4月には報じられています。其れを今更になって、軍事攻撃が始まる段階になって取り上げるなんて、彼らがテロリスト側にいるか、余程の無能かのどちらかでしょう。

 両方、かもしれませんが。ベ平連や安保闘争にソビエトが資金を出して工作していましたし。尤も日本のマスコミは彼らを散々持ち上げていたので、死んでも其の事実を認めないでしょうが。


 さて、日本では碌に報道されていませんが、シリアでの使われた化学兵器はテロリスト側、反政府側が作った、とシリア政府は述べています。
 まぁ確かに『敵側に成りすまして破壊工作』は基本ですから、有り得る話ではあります。
 ただし反政府側が其れをやってしまうと、住民側からの支持を失ってしまうため、余程の事が無い限り使わないでしょう。
(そもそもの被害者が住民ですし)

 其れについてのシリアの談話。尚、いつも記事を貼ってくださる外電さんに心からの感謝を。


シリア副外相、「テロリスト集団」が近く化学兵器で欧州を攻撃と言明 2013年 08月 28日 23:58 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTJE97R00H20130828
[ダマスカス 28日 ロイター] - シリアのミクダード副外相は28日、米国や英国、フランスはシリアで「テロリスト」が化学兵器を使用する手助けをしたと述べ、同一組織が近いうちに欧州に対して化学兵器を使用するだろうと言明した。
 副外相は記者団に対し、化学兵器使用疑惑を検証している国連調査団に対し、「武装テロリスト集団」が攻撃があったとされる現場で神経ガスのサリンを使ったという証拠を示したと述べた。
「テロリスト集団が、米国、英国、フランスの助けを借りて(化学兵器を)使った張本人であるということをわれわれは再度述べる。これを止める必要がある。このことが意味することは、同じ集団によって、欧州の人々に対し化学兵器が近いうちに使われるということだ」と語った。
(引用終了)


 苦しいですね。反政府側はテロリストであり、彼らが使ったサリンは欧米にも使われるだろう、と。
 ……何かこう、『シリア政府が主導して攻撃してやる』的な恫喝にも聞こえる、と言うかそれ以外には聞こえませんが。

 まぁ今回の事件、何が最大の問題かと言えば『遅すぎた』の一言に尽きます。


どちらが勝ってもアメリカはシリアで敗北する byエドワード・ルトワック(2013-0901)
http://www.nytimes.com/2013/08/25/opinion/sunday/in-syria-america-loses-if-either-side-wins.html?_r=0
 先週の水曜日のニュースでは、シリア の首都ダマスカスの郊外で化学兵器が使われたことが報じられた。人権活動家によれば、これによって数百人の民間人が殺害されたということであり、エジプト の危機のほうが悪化しているにもかかわらず、シリアの内戦がアメリカ政府の関心を引きはじめた。

 しかし、オバマ政権はシリア の内戦に介入してはならない。なぜならこの内戦では、そのどちらの側が勝ったとしても、アメリカにとっては望ましくない結果を引き起こすことになるから だ。現時点では、アメリカの権益にダメージを与えない唯一の選択肢は、「長期的な行き詰まり状態」である。
 実際のところ、もしシリアのアサド政権が反政府活動を完全に制圧して国の支配権を取り戻して秩序を回復してしまえば、これは大災害に なる。カギを握るのは、イランからの資金や武器、そして兵員たちやヘズボラの兵士たちであり、アサド氏の勝利はイランのシーア派とヘズボラの権力と威光を 劇的に認めさせることになり、レバノンとの近さのおかげで、スンニ派のアラブ諸国やイスラエルにとって直接的な脅威となる。

 ところが反政府勢力側の勝利も、アメリカやヨーロッパ・中東の多くの同盟国にとっても極めて危険である。
 その理由は、原理主義グループたち(そのうちの幾つかはアルカイダだと指摘されている)が、シリアにおける最も強力な兵力になるからだ。もしこれらの反政府勢力が勝利するようなことになれば、彼らがアメリカに対して敵対的な政府を作ることになるのはほぼ確実だ。さらにいえば、イスラエルはその北側の国境の向こうのシリアにおいてジハード主義者たちが勝利したとなれば、平穏でいられるわけがない。

 反政府運動が二年前に始まった時点では、このような状況になるとは思えなかった。当時はシリア全体が、アサド政権の独裁状態を終わらせようとしていたように見えたからだ。
 その頃は穏健派がアサド政権にとって 代わることも現実としてありえる感じであった。なぜならそのような考え方をもつ人々が国の大半を占めていたからだ。また、戦闘がここまで長引くことも考え られなかった。長い国境線を接している隣国で、はるかに巨大な国で強力な陸軍を持つトルコが、その力を使って介入してくることも考えられたからだ。
 実際に2011年の半ばにシリアで内戦がはじまると、トルコのエルドアン首相はすぐにその内戦を終結させるようシリアに要求している。
 ところがアサド政権の報道官はそれに 屈する代わりにエルドアン首相をバカにする発言を行い、軍はトルコの戦闘機を撃ち落とすという行動をとったのだ。さらにそれまでにトルコ領内に繰り返し砲 撃を行っており、トルコとの国境では車に爆弾をしかけて爆破させている。ところが驚くべきことに、トルコ側からは何も復讐はなかった。その理由は、トルコ 領内に大規模な少数派民族がいて火種をかかえており、彼らは政府を信用していないだけでなく、トルコ軍も信用していないからだ。そういうわけで、トルコは 権力を行使するどころか、むしろ機能停止状態であり、エルドアン首相はシリア内戦をすぐそばで眺める、単なる傍観者にしか成れていないのだ。

 結果として、アメリカはトル コが支援した反政府勢力に対して武器やインテリジェンス、それにアドバイスを行うことができず、シリアは無政府的な暴力による混乱に陥ることになったの だ。内戦は小さな軍閥やあらゆる種類の危険な原理主義者によって闘われている。たとえばタリバン式のサラフィー派の狂信主義者は、熱心なスンニ派まで殺害 しているのだが、これは彼らがスンニ派の異質なやり方をマネすることができなかったからだ。スンニ派の原理主義者たちは無実のアラウィー派やキリスト教徒 を殺しているのだが、その理由は単に彼らの宗教が違うからだ。そして世界中からのジハード主義者たちは、シリアをアメリカやヨーロッパに対するグローバル なジハード運動の拠点にすることを宣伝している。
(以下略・引用終了)


 ……とまぁ、『反政府側がアルカイダ系(との疑いがある)』なんですね。だとすれば化学兵器の仕様もあったのかも知れません。
 ただし、私の知る限り彼らが化学兵器を使用した試し(少なくともここ数年)は知りませんが、彼らの性質上、使用するメリットがあれば躊躇わないでしょうから。
(だからこそテロリストと呼ばれる所以でしょうけど)

 悲しい話ですが、今から二年前に軍事介入をしていれば『まだ』マシだったかも知れないと言う現実です。


 結論から言ってしまえば、今回は民主党のオバマ大統領がズルズル介入を引き延ばしていたのが、最大の原因です。でもまぁ其れは仕方がない事なんですが、彼ら民主党は共和党のブッシュ大統領の軍事介入へ対して、散々反対した実績があるからです。

 まぁでも、良い機会ですし貴方も良かったら考えて下さい。シリア政府と反政府側の戦いへ対して、私達が介入すべきかどうかを。
 特に面白いのは、常日頃「アメリカの横暴を許すな!アメリカが正義ではない!」と唱える人間達が、『無辜のシリア人が虐殺される状態』へ対して尚、どんな反応を見せるのかを。
 では最後に某匿名掲示板にあった金言を


815 : 日出づる処の名無し[sage] 投稿日:2013/08/30(金) 16:04:21.92 ID:cClbYirC [8/8回]
>>806
今まさに人が死んでいるんだ、という事を全く踏まえるつもりはなさそうですな

内戦が終わるまで「なぜこの世から戦争が無くならないのか」とたっぷり考えて
誰かが終わらせてくれたら「本当に、その方法で良かったのか」とたっぷり議論するつもりなんでしょう


 以上を以て『世界が民主党のように無責任な権力者になってしまった』と言ったら、貴方は笑いますか?其れとも泣く?



文責;弾犀@奇蹄類


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