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被災地を蝕む病 〜ドキュメンタリーに挿入される“ヤラセ”問題〜

 あの震災から3年が経ち、しかし今も福島の復興は中々進まない――という“前提を元にしたお涙頂戴のドキュメント作品”が乱立しています。
 まぁ福島の人間、被災地の住人としてはっきり言いますけど、それらを見ていると不愉快でしかありません。

 現状を伝えると言いながら、私達福島の人間が受けている(主に反原発に政治思想を持ちこむ香具師)は取り上げず、かといって汚染水が他国で海に放出している漁よりも桁違いで低い事実は取り上げない。
 宮城と岩手辺りはそれでもまだ復興しつつある現状を伝えるのに、福島に限っては原発“のみ”をクローズアップし、「怖い怖い危険危険」と煽る。
 ……吐き気がする程の醜悪さを感じます。

 そしてまたメディアの、自称ジャーナリストの『ヤラセ』が発覚しています。


震災被害者に演技をさせてヤラセ映画を製作・・・出演した女性「映画を見た人に申し訳ない」と罪悪感を抱く(2014-0306)
http://www.asahi.com/articles/ASG344VCHG34UNHB00B.html
 東日本大震災の被災地、宮城県南三陸町のラジオ局に密着したドキュメンタリー映画「ガレキとラジオ」に、「やらせ」があったことが分かった。娘と孫を津波で失った女性がラジオに励まされる場面が描かれるが、実際はラジオを聴いていなかった。女性は制作者の求めに応じて演技をしてしまったことに罪悪感を抱き、苦しんでいる。
 映画は大手広告会社の博報堂が企画制作。同社社員の梅村太郎氏が監督し、俳優の役所広司氏がナレーションを担当した。震災直後に開局した臨時災害ラジオ局のスタッフと、放送で元気づけられる被災者らを描いた。
 関係者によると、やらせを強いられたのは同町の仮設住宅に暮らす70代の女性。梅村監督らに対し、女性は当初、「そんな気持ちになれない」と出演を断った。だが、撮影班が何度か訪ねるうちに出演を承諾したという。
 最初は娘と孫について取材を受けていたが、数回目の撮影中、女性はラジオを聴くよう求められた。普段聴いていないことを伝え、女性は「大丈夫なの」と尋ねたが、撮影班は「聴いてるふりをしてください」と指示したという。
 だが近くの複数の住民によると、この仮設周辺は災害ラジオ局の電波が届いていなかった。映画に登場するラジカセを撮影班が用意し、ラジオではなく地元中学生の合唱のCDを聴かされた。撮影中にラジオを聴く機会はなかったという。
 さらに撮影班は事前に女性にせりふを細かく指示。「いつも聴いている」「音がないと寂しい」などと言わせたという。
 映画は2013年春から秋まで全国25館で公開され、その後も市民らの自主上映会が50カ所以上で続く。女性は映画が評判になるにつれて罪悪感を覚えるようになり、「映画を見た人に申し訳ない」と話しているという。
 梅村監督は朝日新聞の取材に、女性宅ではラジオの電波が入らないこと や、撮影班がラジカセを持ち込んだことを認め、「(ラジオ放送として)CDで聴いてもらう演出はした。CDで聴いてもらって、ラジオとの接点がゼロではな いと思った。それも広い意味でリスナーだと考えた」と説明した。また、ラジオ局が町でイベントをする場面で、ボランティアを「(ラジオ局の)リーダーが東京から呼び寄せた」とのナレーションが入っているが、実際には制作側が集めたことを認めた。
(以下略・引用終了)


 ……っていうかですね、正直言いますけど、この手の話は表に出てないだけで似たようなケースは山積しているのでは無いでしょうか?
 『復興!○○に××を!』とか銘打って、自称歌手・文筆家・写真家が次々とデビューしてますけど、それってタダの震災を踏み台にしたビジネスですよね?
 この映画――いや、悪質な詐欺フィクション番組を見るに同事例は蔓延しているのではないかと推測します。
 “ボランティアを制作側が集めた”ってそれもうタダのスタッフですよね。


 ヤラセとは少し意味合いは違いますが、各地に福島の避難者が居ます。テレビや新聞で取り上げられる彼は一様に、

『福島へ帰りたい!愛する郷土を返せ!』

とか、実に怒りながら言います。
 でも実際の所、その方が本当に郷土を愛しているのであれば、どうして県外で、しかも遠く離れた場所から福島を返せと叫んでいるのでしょうか?
 私の住む場所では数万人の避難者が暮らしていますが、彼らは郷土から離れたくなくてそこに住んでいます。

 ……結局、『可哀想な被災者として同情の目で見られたい』のであり、遠くで福島を思う人間はどれだけ郷土を考えているのでしょうね。
 ちなみに私は地元に残り、福島の復興のために生きていく道を選びましたが。


文責;弾犀@奇蹄類


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