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スコットランド独立というポピュリズム 〜背景にあるのは迎合主義〜

 非常に残念な話ですが、この世界にはどうしようもない詐欺師というものは存在します。
 例えば吉田証言を手に入れたのに、『原発から日本人が逃げ出した!』と大誤報を飛ばした朝日捏造新聞。
 はたまた『政権交代でバラ色の未来が!』とやらかした我が国の民主党政権。
 彼らはどちらも救いようのない詐欺師集団です。他にも大勢居ますけどね。

 その彼らの手口、詐欺師の手口として『都合の良い、実に耳障りはいいが実現不可能で荒唐無稽な願望を騙る』というものがあります。思い出したくもありませんが、5年前の今頃、私達は実際にそれらを目にしました、マニフェストという形で。
 今日は海外でもそんな話があった、というお話。


 イギリス北部、ハイランダーでお馴染み(映画は脚色が過剰にされていて、とても史実とはかけ離れていますが)のスコットランドで今、国家分離運動が展開されています。


独立賛成派が初のリード、英国 スコットランド世論調査(2014-0907)
http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014090701001157.html
 【ロンドン共同】英北部スコットランドの独立の是非を問う住民投票が18日に迫る中、7日付の英紙サンデー・タイムズは最新の世論調査結果を発表、独立賛成派が反対派を51%対49%の僅差で上回った。同紙によると、賛成派のリードは初めて。
 サンデー・タイムズによると、約1カ月前には独立反対派が賛成派に20ポイント以上の差をつけていたが、賛成派は投票直前になり急伸。今回の調査結果も独立派の支持基盤拡大を裏付けた。
 調査は同紙が調査機関ユーガブに委託したもので、今月2日発表の調査結果に比べて、賛成派は4ポイント増えた。
(引用終了)


 はっきり言いますが、無謀です。というか何がしたいのか不明です。
 分離派曰く、『独立すれば経済が上向くし、北海油田からの利益をスコットランドが一手に握れる!』んだそうで。ぶっちゃけ『金目』ですね、えぇ。日本の民主党と大差ありません。

 ……ええとですね。スコットランド独立には幾つかの壁がありまして。その殆どが分離派は楽観視しているんですが。
 EU加盟はまず絶望的。何故ならば他にもスペインやイタリア辺りでも独立運動(儲かっている都市がその他を切り捨てようとする運動)が起きていまして、当然彼らが賛成する訳がありません。
(加盟には加盟国全ての賛成が規約)
 また経済面で言っても、「通貨はどうするのか?」――つまりイギリス連邦ではポンドが採られていますが、引き続き使えるのか?……勿論、通貨発行権を持つイギリスは使わせないと明言しています。
 他にも分離主義者は『ロンドンにある本社が独立すればスコットランドへ戻ってくる!』、そう話しているんですが……勿論、それらの会社はそんな事一言も言っていません。
 どう考えても新通貨の導入と経済的に脆弱であり、独立と共に暴落が確定しているようなものですが、そんな所へ企業が行きたがる訳もなく。
 ましてや世界屈指のウォール街から離れる所は少ないでしょう。


 さて、この独立騒ぎ、一体どうなるのかは全く分かりません。無責任で恐縮ですが、分離派が狂信者めいていて、まともな説得に耳を貸していないのが現状です。余所者の私ですら、以上のような欠点――それも致命的な――が上げられるのに、彼らは酷く楽観視しすぎています。
 ……日本の政治にも言える事ですが、『ダメだったら戻せばいい』とか『やってみて失敗してもいい』などとの甘い考えであるならば、その人間は政治を口に出して良いとは思えません。
 何故ならば政治とは『失敗してダメだった』が絶対に許されないからです。細かい失敗はあるでしょうし、国民の100%の賛意を得るのはまず不可能でしょうが、そういった大多数の国益のために政治はあります。

 仮にスコットランド独立で失敗したとしても、さて誰が助けてくれるのでしょうか?国連?EU?イングランド?
 ウクライナ一つ、まともに助けられない連中がどうしてスコットランドを助けると?
(まして他国はイギリスの経済状況が悪くなったと手を叩いて喜ぶでしょう)

 色々な意味で注視が必要ですね。独立して大失敗したモデルケースとして、スコットランドが名を刻むでしょうから。


文責;弾犀@奇蹄類


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