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権利とは天から降ってくるものではない 〜スコットランド独立を考える〜

「憲法九条があるから戦争は起きない。だって禁止されてるから」

 ――と、以前真顔で言われた体験があります。今にして思えば、彼は心を病んでいたのでしょうね。その後直ぐに(色々な意味で)終ってしまいましたが。
 まぁ気持ちは分かりますし、理解も出来ない事はありません。彼が善意の人なのだろうというのも、また疑いようもありませんよ。それはね。
 ですが同様に『法律で禁じられているから殺人なんて起きない』とか、『刑法があるから犯罪は起きない』と、言うぐらい、ナンセンスで意味が無いと言う事に気づいているでしょうか?……まぁ、気づかないんでしょうね。きっと。
 今日の記事はそんな話です。


 さて、つい先日。スコットランドの独立が否決されました。得票は反対55%、賛成45%思ったよりも差がついたな、という感じです。
(私は賛成派が勝つと思っていましたので)
 意外と冷静――でも、ないですね。反対派が45%も。大丈夫かスコットランド。

 はっきり言いますが、今回の独立、正気の沙汰ではないでしょう。
 中国のウイグル・チベット・香港辺り、つまり独裁国家から自由を求めて独立する――これならば話は分かります。世界から賞賛もされるでしょう。
 しかし曲がりなりにも、少々落ち目ながらも先進国で言えば屈指の存在であり、教育や社会福祉で未だ高い水準を保っている(むしろやり過ぎの感がある)イギリス連邦から、一体どんな不満があって独立したいというのか?
 ……まぁ結局は『金目』だったと言うだけの話。我が国の民主党のような、大衆迎合党が支持を得てしまいまともな判断力が失われてしまったと私は見ています。

 実際、独立派は終盤になって危機感が出て来ていたようで、「独立した後の君主はエリザベス2世」という話が突然出て来ました。
(※スコットランドでは過去「エリザベス」という名の女王が居なかったため、彼女に「2世」と付けていません。なのにポンド惜しさに誇りを捨てるのか高地人、嘆かわしい)


 では本題。確かに私達は様々な『権利』を持っています。『自由』と言い換える事も出来ます。
 思想の自由、表現の自由、行動の自由、結社の自由――まぁ、素晴らしい事であると思います。
 ですが、これ一体誰によって保証されているでしょうか?個人ではなく、憲法でもなく――答えは『国家(政府)』によってです。
 どこぞのならず者国家に於いて、私有財産は認められておらず、今でも土地は共産党のものです。またそこへ住む人民も家畜程度の人権しか認められていません……まぁ、彼らは満足しているようですが。


 あくまでも私の『自由』という『権利』を保証しているのは国家であり、その国家を超える事は出来ない――というか、無謀、でしょうかね。
 あなたが、そして私達が『自由』を得られるのはあくまでも国家としての枠組みの中での話です。それを超えてしまっては、言うなれば庇護者が居なければ権利など守られもしません。
 当たり前の話ですが、権利とは天から降ってくるものではありません。私達が所属する社会が、社会として保証しているに過ぎないものです。
 それを超えようとするのは勝手ですが、国家という庇護者の元で“のみ”保証される『権利』を、国を超えて主張すればただ笑いものになるでしょうね。


文責;弾犀@奇蹄類


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