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究極のポピュリズム 〜政界渡り鳥〜

 暫くHPの更新をやめていましたが、というか私事で忙しかったり体調が優れなかったりと、あまり言い訳できる状態でもありませんでした。まぁ全ては私の不徳の致すところであります。
 しかしそんな中でも世界情勢は日々変化しつつあり、日本もまた同様であったと言えるでしょう。小池百合子都知事の希望の党の立ち上げと代表就任、民進党前原代表の『合流』宣言、そして枝野元幹事長らの『分党』と立憲民主党の設立と。
 流石にこんな流動的な動きを見せるとは考えもしなかった――というか、できていたとするならば、余程先見の明をお持ちか狂人のどちらかだと思います。少なくとも当事者達は後者に違いないですが。

 枝野立憲民主党(以下・民主党と表記)代表ら、民進党の中でも革マル派や極左暴力団の支援が厚い方が離党するのは正直予想できました。保守派を自称している前原氏が代表に就任することにより、見せかけだけでも保守的な政策を掲げることになります。
 彼らは支持が離れるため、自己保身のために党を割るのは何となくそうなるのではと思っていました……と、以前から書いていれば格好良かったのですが、ど うしても締まりませんねえ。事実の後追いをしながら「こうなると(口にはしなかったが)思っていた」と述べるのは、後出しジャンケンで勝った勝ったと騒ぐ のと大差ないのですから。

 まぁそこは棚に上げるとして、もう一つの小池都知事が希望の党を立ち上げ――というのも驚きは皆無でした。
 というのも都政に関して、築地市場の豊洲移転問題を棚上げ、『散々騒ぎ散らした挙げ句、どちらの決定もできずに棚上げして野ざらしにした』のが小池都知事の手腕です。
 そして何が質が悪いのかと言えば、都議会選挙で“勝って”しまったことです。負けたんじゃないですよ、小池女史が勝利してしまったことが問題。
 というのも彼女の政治スタイルは、『仮想敵を作り上げ、そこを完全否定して攻撃することで支持を得る』というものです。野党が恒常的に使っている手ですね。

 自民党都議連に問題がなかったと言えばそれは言い過ぎでしょうが、彼らが実際に汚職なり収賄なりをしていれば、それは刑事事件へ発展している訳です。
 例えば小池都知事は「政策決定のブラックボックスをあきらかにする」と仰っていました。都知事に就任して一年以上が経ちますが、いまだに『ブラックボッ クス』とやらは明らかになりません。違法な行為が自民党都議連にあれば訴訟すべきですし、それが道義的に問題があるというのであれば条例の形で禁止すれば いい。
 それが成されないというのは、小池女史が仰っていた『ブラックボックス』など、彼女の主張していたような違法や不道徳の形で存在していなかった証拠でしょうね。
 それがなかった以上、森友・加計のように火のないところへ放火しただけ。確か……そうですね、小池都知事が知事選挙中にはこう主張していました。

「築地問題は私が知事に就任したら解決してみせます!」

 そして都知事に就任すると次のように言い出した訳です。

「築地問題を解決するには都議会の多数の同意が必要です!自民党の既得権益を打破するためにも、都民ファーストを応援して下さい!」

 そしてつい最近、具体的には先月(9月)の終り頃にはこういう主張をされていました。

「都を変えるには国政から!希望の党が衆議院選挙で勝利すれば全ての問題を解決します!」

 だ、そうです。あぁ細部は勿論違うと思いますが、大体こんな感じであったような気がします。
 えぇと……ごめんなさいね、こういう事を言ったら嫌われるかも知れませんが、あえて「いい加減にしろ」と書いておきます。
 こうなってくると次の展開が読めますね。あくまでも私の予想ですが、

「参議院議員で希望の党が過半数を取れば都は良くなります!だから希望の党を応援して下さい!」
「私が総理になれば問題は解決します!だから私を総理大臣に!」

ぐらいのことは言い出すでしょう。もう都民の方は怒ってもいいと思います。私は都民ではないですが怒っていますけど。
 ……まぁ殆どの方はお気づきでしょうが、“これ”が小池都知事の本質なのでしょう。

 あぁいえ批判をするな、改善を諦めろとは言っていません。政府なり政党もまた人の身ですので間違いを犯します。それは絶対にですし、それらを指摘したり改善したり批判をするのは民主主義国家において極めて健全な姿だと思います。
 もしも『絶対的に正しい為政を永遠に持続可能』であれば、そもそも選挙する必要すらない訳ですね。もっともそれを実現出来た国家は地球上には存在しません。標榜する国家であれば日本のすぐ近くにも二つほどあるようですが。

 問題となってくるのは、その政府や与党へ対する批判なり指摘が本当に正しいのか?ということでしょうか。
 少なくともかれこれ10ヶ月以上経過しているモリカケ問題、当初は安倍総理とその夫人の便宜供与の話であった筈なのに、未だ証拠の一つも出て来ない有様です。

 繰り返しますが「絶対に批判するな」とは言っていません。「的外れで挙げ足を取るような中傷をするな」とは思いますが。
 例えば「日本死ね」と差別的な暴言を国会で取り上げたり、不正があるのであれば司法の場で扱うべき案件を延々執着したり。平時ならばともかく、北朝鮮の 核・ICBM開発で戦争が狂人の妄想でなくなった以上、優先順位の問題があるでしょうに。そもそも国会とは三権の内で『立法』機関です。

 まぁそんな口だけの人間ほど、いざ自分達が責任ある立場に立つと何一つ実績を残せず、言い訳と晩年を汚しながらフェードアウトしていきます。古くは社会党、10年ほど前ならば民主党です。

 小池地と知事も同じく。いざ実務をする側に立てば、都知事選の主要なテーマになった築地移転は移転・移転中止どちらの選択肢も取れない。都知事に就任し て一年以上経ち、成果らしい成果を上げたのは『自宅での喫煙禁止』だけ。そんなつまらない問題、地方自治体が介入するような話でもないでしょうに。
 そもそも国会議員という立場をかなぐり捨てて、横車の形で突然都知事選挙へ立候補し、更に今度は新党党首にまで上り詰めて堂々の凱旋を果たす――か、どうかは次の選挙次第です。

 私としては「希望の党が勝つ訳がない」……と、書きたいところなのですが、生憎都議会選挙の予想も大外れしまして、えぇ。個人的には都民ファーストの議 席は国会の維新程度に収り、過半数に迫る与党になるとは思いもしませんでした。可能性としては東京都での議席配分が多く、また民進党とくっついたため、下 手をすれば与党になる可能性だってあります。

 ここまで都民、そして国民を虚仮にする政治政党を見たのも初めてですが、躍進したとしてもそれは“民意”に他なりません。それは絶対に。
 しかしながら“民意だって間違う”んですよ。特に詐欺師が甘言を用いて騙そう、人々の善意につけ込もうとする輩はいつの時代にもどこの国だっています。

 大切なのは現実を見ること。そして失敗したのであれば次の機会に生かすこと。
 繰り返しますが間違わない人間など居ませんし、もしそういう――「私の言っていることは絶対に正しいんだ!」というのは、ただの詐欺師です。


文責;弾犀@奇蹄類


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