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日本は平和なのか? 〜日本人スパイ事件〜

 私 が“死”という概念を知ったのは、幼稚園へ上がる前、大体三歳前後だったと記憶しています。死んだらどうなるんだろう、死にたくないなぁ、いつかは家族も ――等と不安な気持ちで押し潰されそうになった、という思い出が。
 まぁどなたでも似たような経験をしたのではないかと存じます。“死”という一方通行の概念を学んだからこそ、より“生”という行為を尊ばなくてはならな い、現時点に於いて私が出した結論です。

 ですがもしもの話、「子供へ死を教えなかったら?」という仮定をしてみましょう。

 正直、命の大切さを知らない人間が増えれば、其れだけ自分や他人の命を大切に扱わず、安易な気持ちで起こした刑事事件が頻発するでしょう。何故ならば彼 らは取り返しのつかない事を知らないからです。
 勿論実際にまともであるなしに関わらず、生きてさえいれば其れだけで命と向き合い、其の大切さを学ぶ人間が殆どです。生を営むに当たって、死は何かにつ けても影を落とすからです。

 貴方が人に親になった、もしくはであったとして、どれだけの概念を子へ教えますか?先に挙げた生死は当然として、他にも人との付き合い方、挨拶、喋り 方……と挙げればきりがありません。
 特に中でも頭を悩ませるであろう事柄、あまり宜しくない部分についてはどうでしょうか?聞かれるまで口を閉ざすのか、成長に連れ自ずと学ぶのか、難しい 問題です。

 そういった“不適切な情報”は、出来れば知らずに済めば其れに超した事はない――と、いうのを指して親心と称するのかも知れません。
 ですが断言します。必要な情報を知らずにいるのは、誰にとっても不幸なのだ、と。


 前置きが長くなりましたが、とある記事をご覧下さい。
 ちなみに私見を多く書き込んでいるのは、著作権法との兼ね合いで、出来る限り引用記事だけにならぬよう配慮している面もあります。


日本に「機密」漏らす?国情院職員が解雇(日 刊スポーツ 2012年2月8日0時29分)
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20120208-900650.html
 在日韓国 大使館に派遣されていた韓国の情報機関、国家情報院の職員が「機密」とされる情報8件を日本の海上保安庁当局者や記者らに漏らしたとして解雇さ れた。
 元職員は7日までに「情報は機密に当たらな い」として、ソウルの裁判所に    解雇処分の取り消しを求める訴訟を起こした。朝鮮日報などが報じた。
 同紙などによると、元職員は2009年から 11年まで大使館に派遣され、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の動向把握などを担当。
 09年10月に海上保安庁当局者に、北朝鮮 から韓国に亡命した黄長■元朝鮮労働党書記の訪日日程を説明。この情報 が民放記者を経由してマレーシア駐在の北朝鮮工作員に渡った
※■は火へんに華

 また、1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫元北朝鮮工作員が来日した際、当時の中井洽拉致問題担当相側に拉致被害者田口八重子さんの生 存に関する情報を伝えたとの情報を外部に漏らしたという。(共同)
(以上引用終了)


 一言で言えば大事件です。韓国の情報機関(多分日本の公安のようなもの)の人間が日本の記者と海保関係者へ機密情報を提供していました、という内容で す。
 今更「日本のテレビや新聞で伝えましたか?」と念を押しません(と言うかスポーツ新聞で取り上げるだけなんて、幾ら何でもお粗末すぎます)が、此だけで あるのならば何処が問題だと思います。

 其れでは元記事となった(であろう)韓国の新聞を見てみましょう。日付は日本の記事の前日ですので、其れほど違ってはいないかと。


国情院職員が北朝鮮に機密を漏えいか(朝鮮日 報 12/02/07)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/07/2012020700649.html
 日本で情報収集活動を行ってきた国家情報院 の職員が、8件の機密を漏えいしたとして解任されたことが分かった。
 国情院によると、これらの機密の一部は北朝 鮮の情報要員の手に渡っていたという。
 国情院は在日本朝鮮人総連合会(以下、朝鮮 総連)の組織を崩壊させるため、2009年6月から在日韓国大使館に国情院海外情報官4級のC氏を派遣した。
 ところがC氏は 09年10月から11年2月にかけて、日本のメディア関係者や市民団体に機密を漏えいしたとして摘発された。
 C氏は2009年10月に日本の海上保安庁 調査官E氏に会い「中井洽国家公安委員長に会う」「ファン・ジャンヨプ氏が12月ごろ日本にやって来る予定」などの情報を漏らした。
 国情院の調べによると、これらの情報は日 本の民放テレビ記者を通じ、マレーシア駐在の北朝鮮偵察総局所属の工作員に伝えられたという。
(〜中略〜)
 国情院はこれらの情報も北朝鮮のスパイに伝 わったとにらんでいる。田口八重子さんは1978年に北朝鮮に拉致され、81年から2年間、金賢姫元死刑囚に日本語を教えたとされている。
 2010年10月に北朝鮮が 延坪島を砲撃した際、C氏はテレビ朝日のC記者と電話や携帯メールなどで「北朝鮮は軍事施設を狙ったと思う。ただし性能がよくなかったため、命中はしな かった」と述べた。この内容も北朝鮮スパイに伝えられたことが分かっている。
 国情院はC氏と親 しい日本人記者A氏が随時、北朝鮮工作員に情報を伝えていた事実を把握し、直後からC氏に対する調査を行っていたという。
(以下略、以上引用終了)


 つまり“韓国情報委員のC氏 が日本の記者A氏へと情報を流し、其れが更に北朝鮮へと伝わっていた”と。日本の新聞記者が北朝鮮のスパイだったなんて、大スキャンダルですが……テレビ や新聞で報道しましたか?

 おかしいですね。韓国の情報局員が罷免されたとして、其れが一応危機感を共有している日韓の公安関係者へ伝わるだけであるならば、対象とはな らずに済んだでしょうから。

 では三番目。私が知る限り此の件に関しての最新記事です。


○テレ朝記者の「北朝鮮スパイに機密漏洩疑 惑」本人に真相直撃
(NEWSポストセブン 2012_02_20)
http://www.news-postseven.com/archives/20120220_89163.html
(前略)
 A氏は2009年6月から朝鮮総連担当とし て在日韓国大使館に勤務。海上保安庁の調査官や日本メディアの記者と交流するなかで、自身が中井洽・国家公安委員長(当時)と会談する予定や、ファン・ ジャンヨプ・元朝鮮労働党書記の来日予定などを海保調査官に伝えたという。
 中井氏は当時、拉致問題の責任者であり、 ファン・ジャンヨプ氏は拉致関連の情報を握る重要人物とされていた。

 これだけなら、通常の情報担当外交官の仕事に見える。が、国情院の調査によると、そうした外交情報が日本メディアの記者を通じて北朝鮮の工作員に渡った というのである。
 事実なら、日本の記者が北朝鮮のスパイ活動 に加担していたことになる。韓国メディア最大手『朝鮮日報』が2月7日付でこのことを報じると、日本の情報機関、さらに一部のメディア関係者たちは大騒ぎ になった。

 とくに慌てふた めいたのが、テレビ朝日だった。
 件の『朝鮮日報』には、複数の記者を通じて 機密漏洩が行なわれたと記されている。そのなかで唯一社名 まで特定されたのが、テレビ朝日の記者だった。
(〜中略〜)
 報道を受けて日本の情報機関は、テレビ朝日 記者の特定を急いだ。浮上したのは社会部記者のB氏だった。中堅の敏 腕記者で、拉致問題を担当していた経験から、横田めぐみさんの両親ら拉致被害者家族とも親交があった。
一方では、朝鮮総連 に太いパイプを持ち、関係者としばしば連絡を取る姿が同僚記者らに目撃されている。ただし、それもジャーナリストとして何らおかしな行動ではない
(以下略、以上引用終了)


 韓国の情報局からテレビ朝日記者が名指しでスパイ疑惑……形容する言葉を失う程の汚点、恥部だと個人的には思います。


 以上がマスコミの“報道しな い自由”を行使した一例です。
 彼らが漢字の読み間違いやら ナントカ還元水など常軌を逸したバッシングを続けていたのにも関わらず、身内の犯した(恐らく国家レベルの問題に発展しかねない)犯罪については、ほぼ各 社が一斉に口を噤みました。

 私達の新聞って何でしょう?私達のテレビってなんでしょうか?実際にあった出来事すらも(其れが己の権益に関わる事であれば)黙殺するのはどうしてで しょう?
 此がおかしくなければ、一体何がおかしいのでしょうか?
 其れとも疑問に思っている私がおかしいと?


 日本は平和ボケしている、と(どなたかの言葉か存じません)誰かが言いました。ですが逆に問います、本当に日本は平和だったのでしょうか、 と。
 確かに戦争をする事無く、また戦争に巻き込まれる事無く、漫然と平和を享受してきました。其れ自体は幸せだったと誇るべきでしょう。

 ただし其の平和は本当に平和だったのでしょうか?
 数年前、アメリカが北朝鮮をテロ支援国家から外すと表明しました(※実は此の表明は全く別の意味を持つのですが)。
 其の際、平和な国の平和なメディアはこう書き立てました。

『日本もアメリカを見習え!バスに乗り遅れるな!』

 ……といった具合に、経済制裁を止めて親交を深めよ、と。其の数年後には長距離ミサイルや核開発、引いてはより強い制裁を発動せざるを得なくなりました が。
 日本の言論・言論が惚けてい る間にも、北朝鮮は着々と核やミサイルの開発を続けていたんですね。

 つまり日本の平 和だった期間とは、“日本の対外的危機や驚異は幾つも存在するにも関わらず、其れを正しく伝えるべきマスコミが怠ってきた”だけだと私は愚 考致します。

 他にも約半世紀前、1964年の10月16日、もっと詳しく言えば東京オリ ンピックの真っ最中、中国は初の核実験に成功しました。よりにもよって日本へ世界中が注目している最中の出来事です。

 其れから大分時は経ちましたが――で、結局中国の脅威はどうなりましたか?経済成長と共に高いモラルを持つ国へと変わりましたか?まぁ答えはわざわざ書 かなくとも、多くの方は私と同じ感想を持っているかと思います。
 其れで?日本を仮想敵国へ定 めた国が厳然と存在するにも関わらず、“平和ボケ”とは何かの冗談でしょうか?
 尖閣諸島問題で露わになった ように、脅威は脅威として存在し続けていました。ですが、何故か日本のマスコミや自称言論人の方々は、日本の安全保障について警告を鳴らすような事はあり ませんでした。


 マスコミが「報道しない自由」を繰り替えし行使した結果、日本は死という概念を教えられず育った大人になってしまいました――で、寓話としては此所で終 わる筈なのですが、生憎私達日本人は早々に諦めるわけにも行きません。
 どんな物事でも解決策があり、また瞬時に打開出来ずとも次善策を打っていく必要があります。少なくとも現状維持のまま行くわけにも参りません。
 愚才の身である私一人で悩んでいても仕様がないため、差し当たっては多くの方に事実を共有し、少しでも多くの解決法を世論として政・官・財へと伝えられ れば、というのが此のようなブログを立ち上げた動機の一つでもあります。


 多少余談ではありますが、数 年前“自由と繁栄の孤”という政治構想を打ち上げた政治家が居ます。要は“同じ(似たような)価値観や法支配、市場を持つ国だけでの同盟”で すね。
 要約すればどこぞの暴君国家 が無法に走るのを抑止するため、周辺国で経済・安全保障(軍事面)で提携し、暴走を止めよう――という主旨のものです。
(安保を締結している国を増や し、お互いに安全保障をし合うと)

 まぁ結局そういった先の先まで、言い換えれば日本人や其の子孫まで累が及ばないよう尽力し続けた総理よりも、「米軍基地は国外!最低でも県外!」と極東 の軍事バランス(に加え日本国民の安全保証)を崩した総理の方が、日本人にとっては好ましいという選挙結果が出てしまっています。
(勿論前者は麻生太郎元総理、後者は鳩山由紀夫元総理の事です)


 私達日本人は大人です。子供ではありません。だから世界をありのままに、あるがままに知りたいだけです。
 例えマスコミが情報を規制した所で、ネットがあれば他の国や大手メディアが騒がない記事でも読めます。むしろ彼らが“報道しない自由”を行使すればする 程、知る人にとってはどれだけ日本のマスコミが信用出来ないかがはっきりしてしまいます。
 私のような(極々ありふれた)ブログを報道関係者の方がご覧になっているとは思えませんが、どうかご自身の報道姿勢についてご一考頂けるように、心から お願い申し上げます。


 ……蛇足ですが、最後の記事の一番下の文章に、

『横田めぐみさんの両親ら拉致被害者家族とも親交がある一方、朝鮮総連に太いパイプを持ち、関係者としばしば連絡を取る姿が同僚記者らに目撃されている』

の点も問題ですが、其れ以上に、

『ただし、それもジャーナリストとして何らおかしな行動ではない』

との言葉、つまり拉致被害者の方と拉致加害者、両方と親しくしていたとしても、マスコミの感覚としてはおかしくはない、と。
 拉致被害者の方々は何かの際にコメントを頂くでしょうから、まぁ否定は致しません。しかし朝鮮総連(在日北朝鮮人で結成された団体)と接触する必要性 が、一体何処にあるのでしょうか?
 私の知る限り、日本の事件・事故に対し、彼らが率先してコメントするような機会はごく限られている上、そもそも取材しなくともホームページなりFAXな りで、求めてもいない意見を勝手に表明するでしょうから。

 他に例えるならば、テロによって家族を殺された被害者、またテロを起こしたテロリストの団体があります。両者と親交がある、と言うのがどれだけ非常識な 事なのか理解出来るかと――日本のマスコミを除いては、ですが。
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