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日本の“知識人”の見解 〜日本の領土問題について〜

 以前日本の評論家や作家の方について、“平和な所で平和を寄越せと叫び、危険な場所では相手の靴を嘗める”という行動を繰り返している、と述べました。
 具体的には大江健三郎氏と高橋源一郎両氏へ対し、
『言論の自由が守られている日本国内では日本が悪いと非難し、言論の自由がない中国へ行っては独裁国家を絶賛する人種』
と言った事例ですね。

 2012年9月、尖閣諸島には多くの武装した中国の漁業監視船が徘徊し、また国連の場でも日本を貶める事実と違う領土認識が示されました。
 また中国全土で大規模な反日暴動が巻き起こり、多くの日系企業は略奪を受け、放火され、時には日本車に乗っていた中国人が殺害されました。

 以上の事実を踏まえた上で以下の記事をご覧下さい。


大江健三郎氏ら識者 領土紛争に「反省」の声明(2012/09/28 東京聯合ニュース)
http://japanese.joins.com/article/443/160443.html?servcode=A00§code=A10
 日本の識者や市民団体関係者らは28日、独島と尖閣諸島の領有権をめぐり韓国、中国と対立を続ける日本政府を批判する声明を発表した。
 声明には作家の大江健三郎氏や本島等元長崎市長、市民団体「許すな!憲法改悪・市民連絡会」関係者らの約800人が賛同している。
 声明では日本の独島と尖閣諸島の領有権主張に関し、「韓国、中国が、もっとも弱く、外交的主張が不可能であった中で日本が領有した」と指摘
 独島については、「韓国民にとっては、単なる『島』ではなく、侵略と植民地支配の起点であり、その象徴である。そのことを日本人は理解しなければならない」と反省を促した。
 また、日中関係に対し、「友好を紛争に転じた原因は、石原都知事の尖閣購入宣言とそれを契機とした日本政府の国有化方針にある」と説明した。
 その上で、「都知事の行動への日本国内の批判は弱かったといわざるを得ない」とし、反省を表明した。
 声明では「漁業を含む資源については共同で開発し管理し分配することができる」と主張したが、対象地域が独島か尖閣諸島かは明示しなかった。
(引用終了)


 ”日本が悪い、石原が悪い、中国と韓国は悪くない”と書かれてありますね。
 しかも言うに事欠いて共同開発ですか。成程、何処かで聞いたような話――というか、此のパターンは以前にもありましたね。
 数年前、東シナ海にガス田がある事が判明しました。規模が大きく、日中の境界線上に位置しています。資源は国境など意味を持たないため、それぞれの国に繋がっている状態です。日本は共同開発を打診したのですが、中国側は一方的に採掘施設を建設し、今も資源を吸い上げています。
 そんな国を今更信用しろと?冗談としては面白い部類ですね。

 そして尖閣諸島に対しては、『民主党政権が石原都知事の政治介入を防ぐため(というよりも人気取りのため)、場当たり的な考えで国有化させたら最悪の結果となった』という認識ではないでしょうか?
 そもそも日本の土地を日本でどう売買されようと、外国から干渉される謂われは全くありませんが。


村上春樹 「日本の政治家よ、ヒトラーの結末を見よ」(2012-09-28)
http://japanese.joins.com/article/459/160459.html?servcode=A00§code=A10
 『ノルウェイの森』、『海辺のカフカ』 『1Q84』などで有名な日本の世界的作家、村上春樹氏(63)が28日、領有権をめぐるアジア国家間の葛藤を懸念するエッセーを朝日新聞に載せた。
村上氏のエッセーはアジア全体に伝えるメッセージだ。しかしエッセーの内容は、最近の領土問題で急速に右傾化している日本国内に向けたものだ。以下はエッセーの要約。

 東アジア地域における最も喜ばしい達成のひとつは、そこに固有の「文化圏」が形成されてきたことだ。私の経験に基づいて言えば、「ここに来るまでの道のりは長かった」ということになる。
 以前の状況はそれほど劣悪だった。ど れくらいひどかったか、ここでは具体的事実には触れないが、最近では環境は著しく改善された。いま「東アジア文化圏」は豊かな、安定したマーケットとして 着実に成熟を遂げつつある。音楽や文学や映画やテレビ番組が、基本的には自由に等価に交換され、多くの数の人々に楽しまれている。
 これはまことに素晴らしい成果というべきだ。
 たとえば韓国のテレビドラマがヒットし、日本人は韓国の文化に対して以前よりずっと親しみを抱くようになった。韓国語を学習する人の数も急激に増えた。
 それと交換的にというか、たとえば僕 がアメリカの大学にいるときには、多くの韓国人・中国人留学生がオフィスを訪れてくれたものだ。彼らは驚くほど熱心に僕の本を読んでくれて、我々の間には 多くの語り合うべきことがあった。このような好ましい状況を出現させるために、長い歳月にわたり多くの人々が心血を注いできた。
 今回の尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題や、あるいは竹島(独島の日本名)問題が、そのような地道な達成を大きく破壊してしまうことを、一人のアジアの作家として、また一人の日本人として、僕は恐れる。
 国境線というものが存在する以上、残 念ながら領土問題は避けて通れないイシューである。しかしそれは実務的に解決可能な案件であるはずだし、また実務的に解決可能な案件でなくてはならないと 考えている。領土問題が実務課題であることを超えて、「国民感情」の領域に踏み込んでくると、それは出口のない、危険な状況を出現させることになる。
 それは安酒の酔いに似ている。安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。人々の声は大きくなり、その行動は粗暴になる。論理は単純化され、自己反復的になる。
 しかし賑やかに騒いだあと、夜が明けてみれば、あとに残るのはいやな頭痛だけだ。そのような安酒を気前よく振る舞い、騒ぎを煽るタイプの政治家や論客に対して、我々は注意深くならなくてはならない。
 1930年代にアドルフ・ヒトラーが政権の基礎を固めたのも、第一次大戦によって失われた領土の回復を一貫してその政策の根幹に置いたからだった。それがどのような結果をもたらしたか、我々は知っている
 政治家や論客は威勢のよい言葉を並べて人々を煽るだけですむが、実際に傷つくのは現場に立たされた個々の人間なのだ。安酒の酔いはいつか覚める。しかし魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない。
 その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を重ねてきたのだ。そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋なのだ。
(引用終了)


 村上春樹氏は『日本人が対外排他を訴える、其れはつまりナチスとヒットラーへの道ではないのか?』と提起されています。思いっきり要約すれば、ですが。
 其れで?現在チベットと東トルキスタンで民族浄化を繰り返し、一党独裁体制が60年以上続いた上、13億の国民の内、僅か数パーセントの党員しか実権を持ない独裁国家があるのですけど、其処へ対してはどうして何も仰らないのでしょうか?


 ……まぁ此が『日本の“知識人”の見解』ですね。日本の国土が外国の武力によって脅かされている、または不法占拠されているのに、出て来る言葉は此の程度です。
 確かに作家としての能力は高いのでしょうが、現実を正確に認識し、日本国民の国益を守る方法は存じてらっしゃらないようです。
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