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復興庁幹部職員発言を擁護する 〜被災者の代表面をするな〜

 2013年6月16日 6月中旬、ツイッターで復興庁幹部の発言が飛び交いました。
 発言の主旨は、

『左翼のバカどもが復興の邪魔をする』
『田舎議員から罵倒される集会』

等といったものです。
 マスコミは一斉に飛びつき、氏を叩きましたが――私は、被災地に住んでいる人間として、氏の発言にも事実があると擁護します
 ただし『バカ』だの、他人への侮蔑的な言葉に関しては、罷免されるべきどうかはさておくとして、公人以前に社会人として相応しくはありませんので。


 ではまず、被災地の現状をお話しする所から始めましょう。
 ご存じの通り民主党政権下では遅々として復興事業は進まず、それどころか多額の復興事業費を流用し、震災とは全く関係の無い事柄に遣い込んでしまっていました。
 政権交代後、漸く特別予算が執行され、通常の予算が汲まれて辛うじてまともな復興計画がスタートしました。

 所謂被災瓦礫や自然界の通称ある量の放射線量を超える農作物などは、専用の施設を造って処理してしまおう、と言う計画が進められています。
 ちなみに民主党政権下では、批判を恐れて何一つ具体的な計画すら立てられませんでした。

 はっきり言いますが、『この事業は復興に関しては絶対に必要』です。通常ゴミ処理施設をフル稼働した上、しかも地震と津波で出た十数年分のゴミも残っているので当然ですし。
 まぁ余所の県に押しつけるわけにはいきませんし、福島県内にそう言った処理施設を造る方向で政府は進めようとしています。


 が、です。とある村の処理施設建設の際のお話です。
 その村は村内の処理を目的に焼却施設を造ろうとしました。住民にも反対の声はあったのですが、

『いつまで経っても放置は出来ないし、誰かがいつか処理しないと復興事業は進まない』

と説得し、村議会やら住民の同意を得ました。
 その後村が隣接する市町村へ「施設を造るから」と説明会を開いた所――荒れに荒れました。

「人殺し!お前達は人殺しか!」
「東電から幾ら貰ったんだ!幾らで人の命を売ったんだ!」
「子供達の命を守れ!それが今を生きる私達の使命だ!」

と『非常に流暢な標準語』で罵られたそうです。ちなみにそこの説明会には私の知人で、そこに住んでいる方が出席しましたが、

『行政側へ向かって罵倒、侮蔑の言葉を執拗に投げかける一団を、地元で見かけた事は一度もなかった』

そうです。
 つまり『余所から来た人間が地元の人間のフリをして、大反対している』構図ですね。


 はっきり言いますが、『では、どうするのか?誰が基準値以上の放射性物質を処分するのか?』と視点が彼らにはありません。
 復興には必要なのに。謂われのない放射性汚染を煽って、只々邪魔をする団体が居ます。
 声を荒げて、時には暴力すら辞さず、ネット上ではありもしない被曝がどうのと大嘘を吐いてまで、彼らは復興事業の妨害を謀るのです。

 ……はっきり言いますが、大人でしょう?社会人でしょう?誰かがしなければ絶対に終わらないんですよ?
 そもそも『そう言った人達』は『解決する気はなく、政治問題化させたいだけ』でしょう?
 反原発を掲げたデモ隊が、衆議院選挙直後には全く動きを見せなくなったように、特定の政治結社や団体が自分達のためにしているだけです。


 なんて言いましょうか、こう、被災地へ乗り込んで活動されている団体は多くあります。
 が、中には胡散臭いのも混ざっています。


復興予算数億使途不明のNPO『大雪りばぁねっと』破産…補助金返還の提訴に先手を打たれ町民激怒
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130516_6


 記事には出ていませんが、「今本当にそれをする必要があるのか?」と言った事業も多々存在します。
 そうですね――例えば仙台市のパンダ誘致とか?私個人としてはパンダは大好きですが、それを今、しかも復興事業としてする意味が分かりません。
 他にも民主党政権下で行われた無駄な、と言うか明らかに悪意のある復興事業が続々と暴かれてきています。


復興予算、雇用でも流用 被災地以外に1千億円(朝日新聞デジタル 6月3日(月)8時0分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130603-00000008-asahi-ind
 【古城博隆、座小田英史】東日本大震災の復興予算で2千億円がついた雇用対策事業のうち、約1千億円が被災地以外で使われているこ とがわかった。被災地以外の38都道府県で雇われた約6万5千人のうち被災者は3%しかおらず、被災者以外が97%を占める。「ウミガメの保護観察」や 「ご当地アイドルのイベント」など震災と関係のない仕事ばかりで、大切な雇用でも復興予算のずさんな使われ方が続いている。
(中略)
 このうち915億円は、東北や関東などの被害が大きかった9県が運営する雇用対策基金に配られた。11〜12年度に計約6万人が雇われ、その約8割を被災者が占める。
 一方、残る1085億円は被災地以外の38都道府県の基金に配られた。朝日新聞が38都道府県に聞いたところ、11〜12年度に雇われた人は計約6万5千人にのぼるが、被災者は約2千人にとどまった。
(引用終了)


 ね?デタラメでしょう?


 繰り返しますが、『今回の幹部職員の言い分、私は共感出来るものである』と。
 氏が会議で『グズグズしてるんじゃない!』等と、明らかに不必要な罵倒をされており、以上のような思いへ至ったのも納得出来ます。

 また氏の発言へ対し、言われた側の市町村議会の議員が「被災者をバカにしている!」と怒っていますが、私は『ある意味的を射た発言』だとも感じています。


 復興事業が遅々として進まないのも、

『理想ばかりを言い、現実と向き合わず、責任転嫁ばかりをする』

人間達が居る以上、話し合いは平行線、しかも幹部職員へ対しては罵倒が許されている現実。それは、明らかに誤りです。


 最後にもう一度言いますが、『被災者の代表面をするな』と。
 被災地の中には私のような現実と向き合い、現実的な解決方法補を探り、前へ前へと一歩ずつ進んでいこうとする人間も居ます。
 私からすれば、現実と向き合わず、自分達の『被災者利権』ばかりを振り翳す自称弱者ほど、性質の悪い人間は居ません。


 戦いましょう、現実と。向き合いましょう、現実に。もう“震災”は終わって、“復興”する時間になったのですから。



文責;弾犀@奇蹄類


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