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終戦の日に考える 〜現実に生きる〜

 今日は半世紀前の終戦と世界のこれからを考えてみましょう。

 その前に一つ。常々私が考えている事ですが――例えば、貴方のお子さんが居て、その子の学業が著しく良くないとしましょう。仮の話ですよ?
 私はその子に勉強しろと言うでしょう。それがその子のためになるからです。

 同様にこのブログでは割と極論――少なくとも新聞やテレビとは全く違う考えを述べていますが、其れは『必要だから』です。
 正直に言えば私も少しは憧れるんですよね。『出来もしない個人の妄想を掲げ、多くの人間を騙してカルトを作り上げる生き方』に。

 しかし、です。『どれだけ綺麗事を言っても世界は変わらない』んですよね。
 「日本憲法素晴らしい!」とか「憲法九条を守って世界平和!」と念仏のように唱えるのは自由です。
 けれど其れで世界が平和になりましたか?憲法九条で戦争が起きないのですか?
 精神自体を卑下するつもりはありませんが、兎に角、只々、『現実に即していない』のです。

 今日は8月15日。戦争が終わった日だからこそ、『私達に迫っている現実』について考えてみたいと思います。


 まずは『アメリカの核削減が他国への核拡散を招く』と言う話。
(※外電さん、いつも記事翻訳と投下ありがとうございます)


WSJレビュー&アウトルック(2013-0408)
REVIEW & OUTLOOKApril 7, 2013, 7:09 p.m. ET
The Coming Nuclear Breakout
As the U.S. deterrent fades, atomic weapons are poised to proliferate.
アメリカの核抑止政策の衰退で、核の拡散が始まる
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324050304578408640883606814.html
核拡散防止の失敗で同盟国や友好国は独自の核抑止力を持つべきであろうかと憂慮し始めている。韓国のChung Mong-joon議員はアメリカが朝鮮半島に戦術核を配備することを再度実施すべきという。パパブッシュが1991年に韓国からこれを引き上げているのだが、それは北朝鮮の核廃棄のためのジェスチャーであった。
彼は「一部の人はアメリカの核の傘が敗れたという」と2月に語った。アメリカが核配備を拒否するなら独自開発が必要という。最近の世論調査では66%が独自核を支持している
日本では石原慎太郎氏以外にはそういうことを言う有力政治家はいないが、北朝鮮の核開発が進展すれば、それは変わるだろう。日本にはすでに技術も資源もある。
中東ではイランの核開発に刺激されサウジアラビアが16基の原子炉建設を言っている。
サウジ同様に発電用燃料に事欠かないUAEも原子炉を建設中で、UAEはウラン濃縮や再処理に手を出さないというがイランの核開発が進展すればそれは変わり得ると見る人が多い
これらのことが核廃棄に熱心なオバマ政権の時代に起こっている。大統領はアメリカの核弾頭保有数を減らしイランや北朝鮮に核不拡散のモラル的規範を示すという。
オバマ大統領はロシアとの核弾頭削減交渉にあたってきたが、それはイランや北朝鮮に対して良い影響を与えていない。
世界はイランと北朝鮮の核開発進展を止める意志が、アメリカに不足と見てさらに同盟国の核武装に対しても曖昧な態度をとると見る
大統領は「戦争の潮流は引きつつ有る」と宣言したが実際にはその逆なのかも知れず大統領の核廃棄政策は諸国の核拡散を引き起こすステージを準備した
(引用終了)


 日本の名前も出ています。と言うか石原維新の党代表(この時点では都知事でしたが)はアメリカでも有名なんですね。
 内容の方を簡単にまとめれば、

『アメリカが核を削減すれば同盟国は不安に思い、核開発を始めるかも知れない』
『イランや北朝鮮に曖昧な態度を取れば、其れは各国の自衛――軍備の再拡大を勧めるだけだ』

でしょうかね。
 そりゃまぁ西部劇であるように、保安官が役に立たないのであれば住民も武装する、って話です。
 良い悪いの話じゃなく、『現実』として其れしか選択肢がありません。其れだけの事。

 半年程前、スノーデン被告がアメリカの機密情報(恒常的な監視)を暴露して問題になりました。
 綺麗事を言えば『良くない』んでしょうが、どうやらそう単純な話ではないようです。


Obama and Snowden: 'Zero' Effect
Both Obama and Snowden naively believe that if the U.S. abandons key defense
tools, rival nations will soon follow its lead.
By DAVID FEITH CONNECT(2013-0608)
オバマ大統領とエドワード・スノーデンに共通する「効果ゼロ」の考え
二人に共通することは米国が重要な防衛手段を放棄すれば、相手もそれに習うという
あまりにもうぶな考えである
By DAVID FEITH CONNECT WSJ寄稿評論
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324328204578571110781619902.html
スノーデンはNSAが憲法に定める個人の思想の自由やプライバシー保護を盗聴監視のプログラムが危うくしていると主張して機密漏洩を弁護して香港やモスクワや、そして多分ハバナの庇護を求めているわけだが・・
(中略)
アメリカ政府がサイバー盗聴や監視をしているが、それがどうしたというのか?
様々の理由から中国、ロシア、イランはじめ多くの組織がサイバー空間で盗聴や監視をしている中で、アメリカがそれを止めれば他の国が止めるとでも言うのか?
(中略)
オバマ大統領は核ミサイルについて似たような「核ゼロ」を目指すと言っている。
これがスノーデンとおなじようにも見えるが、大統領のウイッシュフルシンキングは政治的な都合に依るわけだ
しかしいずれにせよオ バマ大統領の政策はイラン、北朝鮮、中国をしてさらに核ミサイル開発に進むことを助長するだけである。核ミサイルであれサイバー戦争の道具であれ、アメリ カの一方的撤退は相手を挑発する。全ての人間が天使のようになるまでは、ゼロの夢よりは抑止力を保有することが責任ある政策である。
(引用終了)


 前の記事よりも強烈に皮肉っていますね……出来れば日本にもこの程度の新聞があれば良いのですが。まぁ社説ですら共同通信をコピー&ペーストしている以上、望む方が無理なのかも知れません。
 話し合いで戦争が解決出来るのであれば、とうに世界は平和になっているでしょう。イマジンを歌った歌手達ですら、たった四人が仲良く出来ずに解散しましたし。


 数日前、某式典にて某市長が政府を批判しました。

「核削減条約へ日本が加盟を拒んだのは有り得ない」
(大体こんな主旨だったと思います)

 まぁ思想自体を否定しようとは思いません。気持ちも理解出来ます。
 でも、上の記事にもあったように、『比較的まともな国々が核を削減した所で、結果的にイラン・北朝鮮・中国のような国家は削減しない』んですね。
 其れが、現実――と言うか、核を削減するしない以前に、どうして北の核開発や中国の核装備には何も言わないんでしょうね?
 首の上に頭が乗っていれば、相対的に彼らならず者国家の核の脅威が上がると理解出来るでしょうに。

 繰り返しますが、私達は現実に生きています。だから現実的な選択肢を取らなければいけません。其れは絶対に。

 警察を無くして犯罪が撲滅出来ますか?
 そんな訳はありません。治安を取り締まる力が無くなれば、ヤクザや在日暴力団のような犯罪者は無辜な日本人を襲い、住民達もまた自衛のために武装しなくてはならなくなるでしょう。
 同様に日本から軍備を無くし、アメリカ軍を追い出したとしても、後は堂々と人民解放軍か乗り込んでくるだけでしょうね、


 冒頭にも書きましたが、綺麗事は綺麗なんですよ。其れは多くの人の耳目を引き、共感を集めるのでしょう。
 署名活動をしたり、特定の候補者を応援したり、デモをして人の鎖を作ったりと。まぁ『崇高な活動をしている』ように見えます。

 ですが、其れは『種の無い植木鉢に水を注ぐ』ようなものです。
 本来思想よりも重視すべき『現実』と言う種が入っていない以上、芽を出し花をつける事は有り得ません。
 もしもそんな植木鉢から芽を出したとしても、きっと名状しがたい毒花を咲かせるでしょうが。


 では最後に、先の戦争で亡くなられた全ての日本人の方へも黙祷を。



文責;弾犀@奇蹄類


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