「素人目線」の行き着く先 〜庶民優先の景気回復は詭弁〜

　相も変わらずマスコミは日本が嫌いで嫌いで仕方がないようで、政府がやろうとしている足を引っ張るのが大好きなようで。
　野党も野党で対案の一つも出さず――出“せ”ず、今日も今日として足を引っ張るだけの生き方をして羨ましいですね。


　さて、今日は経済学――ではなく、常識の話をしましょうか。まぁ難しい話では何一つないのですが、最近こういうフレーズを耳にするでしょう。

「アベノミクスは庶民にまで届いていない！大企業優先の政策だ！」
「一番苦しんでいる庶民優先の景気回復をしろ！ジミンガー！」

　とまぁ大体こんな感じですよね。
　まず経済的な各種指標を見れば、失業率は民主党時代から格段に上がっていますし、株価は倍以上、年金の運用では数兆円の黒字を出しています。
　当然雇用が生まれれば景気は上向き、私達日本人はどうにか平穏な暮らしをしている――というのが私の認識です。何か間違っているでしょうか？

　が、しかしこの日本のみならず、『現実を現実として認識出来ない人間』は往々にして存在してしまいます。日本の隣国なんかはまさにその通りですからね。

　ですので簡単な解説を加えたいと思います。えぇもうそりゃ“簡単”に。


　庶民からの景気回復、それは一体どんな定義でどのような状態になるのかが不鮮明なので、取り敢えず定義を決めましょう。そうですね……『庶民の所得から上げる経済政策』としましょうか。
　政府が命令でも出すんですかね？『○○の賃金を100%上げよ！』とか、どこの将軍様だという気もしますし、これをやったら自由資本主義国から爪弾きにされるでしょうが……まぁ実行へ移したとします。

　X月XX日、今日から師世民の給料は倍です！これが暮らしは楽になりました！……と、考える人が居れば、私は心の底から軽蔑したいと思います、えぇ。
　例えば厚みの増した給料袋を片手にパンを買うとしましょう。そうすると、恐らく倍近くの値段になったパンを見てあなたは驚くと思います。
　そしてあなたはこう聞くんですかね。

「パンはどうして値上げしたんだ！これじゃ給料が倍になった意味がない！」

　するとパン屋さんはこう答えるでしょう。

「あなたの給料は倍になりました。そして当然私の給料も倍にならざるをえません」
「そのために価格へ転化しなければいけません。そうすれば当然全ての人が関わる産業で、自動的に値段は上がります」
「当然、社会保障――医療や介護の分野でも同じ条件なのですから、税金も相応分に上がりますが何か？」

　と、ですね。
　ちなみに私の経験から言わせて貰えるのであれば、『庶民の所得を無理矢理上げる事によって成功した経済政策は存在しない』筈です。ただのインフレになって終わり。当たり前ですが。
　そもそもそんな単純な方法で皆ハッピーになれるんであれば、全ての国が同じ事をしている筈です。だというのにどの国もしていませんよね？そんな奇抜な政策、聞いた話はありませんよね？

　なので大抵の国は、まともな国家であれば政府が主導して財政出動をしたり、公共事業をする必要があります。、アメリカでも中国でもEUでも、全ての国はそうやって来ました。
　で、当然日本も習っているだけの話。ただそれだけの、簡単なお話。




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